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アフガニスタン女子教育支援20周年記念公開シンポジウム 実施報告

2022年11月16日更新

2022年11月4日(金)、アフガニスタン女子教育支援20周年記念公開シンポジウム「紛争地域の女子教育支援を通した国際協力活動のあり方」(主催:お茶の水女子大学、後援:文部科学省)が、オンラインと会場(本学講堂「徽音堂」)のハイブリッドで開催されました。

お茶の水女子大学は、2002年に津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学、日本女子大学とともに五女子大学コンソーシアムを形成し、共にアフガニスタンの女子教育の普及・発展に取り組んできました。今年はコンソーシアム結成20年目にあたることから、本シンポジウムを開催する運びとなりました。シンポジウムは150名を超える参加者・視聴者を得て盛大に執り行われました。

冒頭、佐々木泰子学長による開会挨拶の後、ご来賓の井本佐智子理事(独立行政法人国際協力機構(JICA))、篠原聡子学長(日本女子大学)、今岡春樹学長(奈良女子大学)、森本あんり学長(東京女子大学)、髙橋裕子学長(津田塾大学)よりご挨拶を頂戴しました。井本理事は、五女子大学によるアフガニスタン女子教育支援の取り組みへの評価と感謝を述べられ、JICAが推進するパキスタンにおけるノンフォーマル教育支援「オルタナティブ教育推進プロジェクト(AQAL)」に関してご紹介いただきました。また、五女子大学コンソーシアムとして共に支援活動を行ってきた各大学の学長からは、当時のご苦労をはじめとしたエピソード、さらには各大学のこれまでの取り組みに関するお話を伺うことができました。

続いて、石井クンツ昌子理事・副学長より「アフガニスタン女子教育支援の20年間」と題する報告が行われました。五女子大学コンソーシアム協定締結の背景と経緯、同コンソーシアムの取り組み及びお茶の水女子大学としての取り組みに関しての紹介がなされました。取り組みの成果として(1)日本の女子教育の蓄積に基づいたアフガニスタン支援への貢献が実現したこと、(2)アフガニスタン女性教員の学び(指導法、学校運営、女性のリーダーシップ等)が促進されたこと、(3)アフガニスタン女性教育支援を契機として、五女子大学で国際協力に関する多様な取り組みが展開したこと(SDGsや開発途上国に関する勉強会、スタディツアー等)が、また課題として(1)アフガニスタンの女子教育に関する情報収集の困難さ、(2)地方への裨益の困難さや限界、(3)治安悪化・政変による活動の制約があることが示されました。また石井理事・副学長からは、現地で直接的な支援を行うことが難しい状況の中であっても、五女子大学コンソーシアムとして、アフガニスタン女子教育の重要性や支援継続の必要性をメッセージとして伝え続けることが表明されました。

上智大学総合人間科学部教育学科教授の杉村美紀先生による「人間の安全保障と国際教育協力―「ここにある未来」を共に歩む―」と題する基調講演は、杉村先生ご自身のご専門である比較教育学、国際教育学の観点から、紛争地域の教育が抱える重層的な課題、教育におけるジェンダー平等をめぐる問題、教育の国際連携とネットワーク等に関して詳しくお話しいただき、紛争地域をはじめとした各国・地域で「人間の安全保障」を守るために教育がどのような役割を担うのかを考える時間となりました。また、杉村先生の指導教授でいらっしゃる箕浦康子先生(本学名誉教授)が五女子大学コンソーシアムの設立・運営にご尽力されたというご縁もあり、事前に箕浦先生に伺ったというお話も交えながら、五女子大学コンソーシアムの今後への期待が語られました。

続く「アフガニスタンにおける統治の困難さ」と題する講演では、公益財団法人中東調査会研究員の青木健太先生より、アフガニスタンの通史、国の概要、権力移行の流れを中心としたアフガニスタン現代政治史の展開、教育・社会状況とターリバーン統治等について解説いただきました。青木先生はご講演タイトルにもある「統治の困難さ」に関して、アマーヌッラー国王(在位1919~1929年)の治世における急速な近代化の失敗事例を引き合いに出され、改革は徐々にしかなされないこと、外部からの押し付けは機能せず、和洋折衷の精神でギリギリの妥協点を模索する必要があることを強調されました。

シンポジウム最後のプログラムとなる学生報告セッションでは、まず、大学が主催する取り組み、サークルや個人での活動、またゼミの活動の一環として国際協力を行ってきた各五女子大学の学生による活動報告が行われました。具体的には、本学のグローバル協力センターが主催する「アフガニスタン勉強会」の活動(お茶の水女子大学)、カンボジアの女子保健教育支援を行う学生団体「レアスマイル」の取り組み(津田塾大学)、日本に暮らすムスリムの子どもたちへの学習支援(東京女子大学)、フェアトレード活動等を行う学生団体「HUA」の取り組み(奈良女子大学)、カンボジアの母親支援を行うゼミ活動(日本女子大学)に関して、活動を通した学びや活動を行う中での悩み・葛藤に関しての報告がなされました。

後半の各五女子大学の学生によるパネルディスカッションは、モデレーターを務めた平山雄大講師の進行のもと、大学での日々の学びと自身の活動がどのようにリンクしているのか、コロナ禍における国際協力活動の工夫、支援対象との「距離」をどう克服するのかなどの問いに意見を出し合う場となりました。他者や異文化を理解するうえでのヒントや、それぞれの活動の展望と今後の目標に関する発言もあり、学生による国際協力活動の可能性を感じられる時間となりました。

閉会挨拶では、グローバル協力センターの由良敬センター長が、本シンポジウムが五女子大学コンソーシアムによるこれまでのアフガニスタン女子教育支援の集大成となったと同時に「明るい未来」に向けた次のステップの契機となったと総括し、シンポジウムは盛況のうちに終了しました。

  • シンポジウムの様子シンポジウムの様子
  • 来賓挨拶:井本佐智子理事(独立行政法人国際協力機構)来賓挨拶:井本佐智子理事
    (独立行政法人国際協力機構)
  • 報告:石井クンツ昌子理事・副学長 報告:石井クンツ昌子理事
    ・副学長
  • 基調講演:杉村美紀教授(上智大学総合人間科学部教育学科)基調講演:杉村美紀教授
    (上智大学総合人間科学部教育学科)
  • 講演:青木健太研究員(公益財団法人中東調査会)講演:青木健太研究員
    (公益財団法人中東調査会)
  • 各五女子大学の学生によるパネルディスカッション各五女子大学の学生によるパネルディスカッション
  • 来賓と講演者の皆様来賓と講演者の皆様
  • 佐々木泰子学長と各五女子大学の学生佐々木泰子学長と各五女子大学の学生

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