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【風しん流行への注意喚起】

2019年3月27日更新

2018年後半から風しんが流行し、ことに関東圏で、30-50歳代の男性を中心に患者数が増加しつづけています。
妊娠中の女性が風しんに感染すると胎児が「先天性風疹症候群」に罹患し、先天性心疾患、難聴、白内障、精神発達遅滞などを生じることがあります。
ご自身の思わぬ感染によって周囲の女性に風しんをうつしてしまう可能性がありますので、女性の多い職場では特に注意が必要です。

表1の様に、居住地の自治体が風しんの抗体検査、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)接種に対して費用助成を行っています。対象者に該当する方は抗体検査でご自身の感染感受性を確かめ、必要な場合にワクチン接種を受けることをお勧めします。なお、妊婦の方は風しんワクチン、MRワクチンを受けることはできません。
表1:風疹抗体検査・予防接種自治体調比べ(H31.3)

自治体による抗体検査公費助成の対象者はおおむね以下の様です。

~20歳から~50歳の方で、
1.  妊娠を希望している女性
2.  妊娠を希望している女性と同居している方 
3. 風しん抗体価が低い妊婦と同居している方 

但し、風しんにかかったことがある方、風しんワクチン(MRワクチンを含む)を2回以上接種済みの方を除く。

助成の内容は変更されることがあります。表1をご参照の上、自治体のホームページなどで現在の状況をご確認ください。

【注】 2019年4月以降、以下の様に厚生労働省による全国レベルの「風しんの追加的対策」が実施されることになりました。対象者は上記の自治体による助成とは異なり、「1962年4月2日から1979年4月1日までの間に生まれた男性」です。下記の情報も併せてお読みください。

厚労省による 「風しんの追加的対策」
2019年4月から「風しんの追加的対策」が厚生労働省により全国レベルで施行され、抗体検査、必要時のMRワクチン接種費用が全額助成されます。対象者は1962年 (昭和37年) 4月2日から1979年 (昭和54年) 4月1日までの間に生まれた男性です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html
実施方法として、居住地区市町村から「クーポン券」が個人に配布され、契約医療機関等に提示すると無料で抗体検査が行われ、結果が地区市町村に報告されます。初年度(~2020年3月まで)は昭和47年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性にクーポン券が送付されますが、それ以外の対象者も、地区市町村に希望すれば、受診券が発行されます。職場の定期健康診断において風しん抗体検査を行うことも推奨されており、現在、お茶の水女子大学が契約している健診機関と実施可能性について折衝中です。「クーポン券」は無くさない様にお持ちください。本学の職員定期健康診断は10月に予定しており、「クーポン券」は5月から発送が開始されますので、「クーポン券」を用いて指定医療機関に受診する方が、対象者の方は早く検査を受けることができる可能性があります。

風しんの流行状況:
2018年後半から風しんが大流行し、ことに関東圏で患者数が増加しています。2017年の全国風しん罹患者報告数は93人でしたが、2018年は2,917人と急増し、2019年は3月20日現在で937人と直線的な増加がつづいています。2013-2014年の風しん大流行に次ぐ大規模な流行です。性、年齢別では圧倒的に男性に多く、ことに30-50歳代に大きなピークが見られ、ワクチン定期接種が行われなかった(あるいは1回のみ行われた)世代が今回の流行の原因となっていることがわかります。CDC(アメリカ疾病管理予防センター)は2018年10月に日本の風疹流行を「警戒レベル」に引き上げ、免疫のない妊婦は日本への渡航を控える様に呼びかけました。「先天性風疹症候群」は、日本では2013-2014年の大流行以来、報告がありませんでしたが、2019年第4週に報告され、さらに増加することが懸念されています。

以上

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