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教育改革の取り組みについて

2022年8月1日更新

教育改革の取り組み

1875年の創立以来、お茶の水女子大学は、明治、大正、昭和、平成、令和と時代の変遷を経て、常に普遍的な学術的価値に創造と未来を担う女性人材の育成に努めてきました。そして、本学で学び巣立った卒業生たちは、様々な領域で豊かな才能を開花させ、社会をリードし、新たな時代を作ってきました。

本学では、145年にわたって果たしてきた先導的な女子教育の歴史と伝統の上に立って、リベラルアーツ教育、グローバル教育、リーダーシップ教育などの特色ある教育システムを構築しています。それらの教育・実践を通して、学生たち自身が自律性と協調性を育み、論理的思考力と創造的探究心を習得できるよう、努めています。教育の基本である教養教育においては、本学の特色として「21世紀型リベラルアーツ教育」が挙げられます。これは、学生たちが自ら課題を発見し、それを解析・考察して、解決のための方策を見つけ出すという能力を習得するプログラムで、様々な領域の教員たちの連携によって、既存の学問分野を超えた幅広い知識や手法を提供しています。また、専門教育においては、これまでに「21世紀COE(Center of Excellence)」や「グローバルCOE」事業を実施し、高度な教育と研究に資する活動を展開してきました。世界で活躍できる女性博士人材育成のための「大学院博士課程教育リーディングプログラム」においても大きな成果をあげています。現在は、AI 人材およびデータサイエンス人材の需要の急激な拡大にともなう社会的要請に応えるため、2019年に「文理融合AI・データサイエンスセンター」を設立し、AIおよびデータサイエンス教育にも力をいれています。

お茶の水女子大学は、これらの教育・研究活動を通して、優れた次世代人材の育成と豊かな未来を創造し得る高度な教育研究機関として、日本のみならず国際的に社会をリードし未来を創造するために、努力を重ねて参ります。

お茶の水女子大学長 佐々木泰子

お茶大発 新型AO入試(新フンボルト入試)

※最新の「総合型選抜(新フンボルト入試)」の情報に関しましてはこちらをご覧ください。


平成26年度 「大学教育再生加速プログラム」 選定取組 2014年度から

大学教育再生加速プログラムはこちらをご覧ください

この取組は、特別入試、とくに現在のAO入試を抜本的に改革し、多面的・総合的に志願者の意欲、適性、能力、基礎学力を見極める入試を構築することを目的とする。募集定員を現在から倍増させ、文理合わせて全学で20人規模とし、丁寧で手間をかけた本学独自の新フンボルト入試を実施する。高大接続の要素をもつプレゼミナールおよび3日間にわたる本試験を通じて、基礎学力を担保しつつ受験生のもつ潜在力(ポテンシャル)を見極める。大学入学時に知的ピークを迎える学生ではなく、入学後の学修のなかで能力を大きく伸ばし、大学院に進学し社会に出てからさらにリーダーとして飛躍しうるような「伸びしろ」のある学生を選抜する。

画像をクリックすると拡大されます。

現行お茶大型AO入試

お茶大発 新型AO入試(新フンボルト入試)

「新フンボルト入試」文系 図書館入試

「新フンボルト入試」理系 実験室入試

「みがかずば」の精神に基づきイノベーションを創出し続ける理工系グローバルリーダーの育成

博士課程教育リーディングプログラム 2013年度から

日本の持続的発展のためにはイノベーションを創出し続けることが必要不可欠である。一方、少子高齢化社会においては「女性の活用は成長戦略の中核をなす」といわれている。このような状況の下に本プログラムでは、特に女性人材が不足している理工系分野(物理、情報など)において、物理・数学・情報を基盤的な素養として持ち、そのため社会の様態やニーズの変化に即応でき、必要なイノベーションを創出し続けることのできる高い柔軟性をもった、グローバルに活躍できる女性人材を、お茶大をハブにして、産学官が協働して養成する。

本プログラムでは「確固たる基礎力の獲得」「実社会における研究開発のイノベーションと異分野協働におけるリーダーシップの涵養」の2点を教育目標とする。そして、後者については、効果的なプロジェクトマネジメントとチームワーク研究によって実践的に達成していく教育手法Project Based Team Study(PBTS)をプログラムの基幹に据える。

さらに、多文化共生のグローバル社会においてソフトなリーダーシップが発揮できるよう、本プログラム独自のコースワークにより

  • I. 俯瞰的に統合・分析する力
  • II. 人間力
  • III. アピール力と言語・交渉力
  • IV. 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティ
  • V. 情報発信や情報収集に不可欠なIT技術等

を、5年間を通して高める。なお、本プログラムは理学専攻とライフサイエンス専攻が協働し、「グローバル理工学副専攻」の新設によって実施するものである。

博士課程教育リーディングプログラムの説明図

学生主体の新しい学士課程の創成 -21世紀型リベラルアーツと複数プログラム選択型専門教育-

文部科学省特別経費プロジェクト (2010年度~2013年度)

本学における教育は、21世紀型リベラルアーツ(文系、理系の領域を横断した視野を獲得し、自在につかえる技を学ぶ)を基礎とした広い視野のもとに、創造性と実践性を備えた専門基礎力を持つ人間を育成する新たな学士課程である。自然・人文・社会領域の総合的理解を深める「21世紀型文理融合リベラルアーツ」(LA、教養教育課程)の基盤の上に、学生主体の複数プログラム選択型専門教育課程を導入し、21世紀の社会に必要とされる教養と専門性を備え、自主自律の精神に富み、女性リーダーを育成する学士課程教育を構築する。具体的には、従来の学科、コースの専門性の枠内で閉鎖的に専門教育を実施するのではなく、学部学科等の教育組織を横断した複数プログラム選択履修制度を導入し、主プログラムと選択プログラムの組合わせにより、多様な可能性をもつ専門基礎力を育成するものである。

学生主体の新しい学士課程の創成

東京コンソーシアムを基盤とした大学院疾患予防科学コース設立(平成24年度から平成28年度)

大学間連携共同教育推進事業(2012年度~2016年度)
連携校名:東京医科歯科大学、お茶の水女子大学、学習院大学、北里大学

急激な進歩を見せている生命科学分野において、高度な専門的知識と社会の要請に適合した汎用的能力を備え、オピニオンリーダーとなる人材の育成と社会への輩出が大学院教育に求められている。本取組では、東京の中心部にあり、生命科学の教育研究に関して互いに補完的な特色を有している東京医科歯科大学、お茶の水女子大学、北里大学、学習院大学の4大学が中核となり、関連する学協会、企業等のステークホルダーの協力のもと、生命科学分野人材育成のための大学院教育課程を体系化する。博士課程における疾患予防科学コースの設置、共通カリキュラムの開発による教育研究水準の一層の高度化、学生支援(インターンシップや学外研修)・国際化事業の共同実施、共同研究体制や産学地域連携の共同推進を行うことにより、東京都における生命科学の知の拠点となることを目指す。

東京コンソーシアムを基盤とした大学院疾患予防科学コース設立の説明図

教学評価体制(IRネットワーク)による学士課程教育の質保証(大学間連携共同教育推進事業)

連携校名:北海道大学、お茶の水女子大学、琉球大学、大阪府立大学、玉川大学、同志社大学、関西学院大学、甲南大学

国公私立大学の連携により、全国規模の学生調査分析を基盤として、ネットワークを通じた連携大学間での相互評価の結果ならびに学内の調査データを学士課程教育の質的向上に結びつける質保証システムの創出と教学支援組織の育成を目指す。すなわち、連携大学において学生調査、卒業生調査などを実施し、大学の状況に適合した教学評価体制を構築し、大学間相互評価を実施する。同時に実施する英語力調査ならびに卒業生調査により、グローバル化に対応した大学教育改革や就職ミスマッチの解消も目指す。さらに、教学評価人材育成のためのワークショップ事業も展開する。これらの事業により設置形態の相違を超えた国公私立大学の連携による。学士課程教育の質保証に向けた新たな教学支援モデルが構築される。さらには、教学評価のノウハウの共有化により教学評価を可能とする人材育成と日本版教学評価モデルの構築が行われる。

教学評価体制による学士課程教育の質保証の説明図

理系女性の意欲と個性に根ざした複線的教育

文部科学省 理数学生応援プロジェクト (2009年度~2012年度)

専攻分野の"理"に根ざす学びへの目的意識や意欲の触発、あるいは科学に対する広い視野の啓発のため、関連あるいは隣接分野の他学科の教員の下で学生が 卒業研究を行える方策、学際的分野の副専攻の開設、複数プログラム選択履修制などにより、ひとりひとりの学生の個性と能力を伸ばす種々の取り組みを行う。

 理系女性の意欲と個性に根ざした複線的教育(イメージ図)

女性リーダーのためのコンピテンシー開発

文部科学省 大学生の就業力育成支援事業 2010年度から

本学は学生個々の特性と志向性に応じた多次元的な学士力の養成を目指しており、その養成過程で修得される諸能力を適切に組み合わせ、女性の地位向上をはじめとする社会的課題の解決に貢献する高度な就業力として発揮できるようにすることが、「女性リーダーのためのコンピテンシー開発」の目標です。

本取組みではOECD(経済協力開発機構)が提案しているキー・コンピテンシーの枠組みをもとに、双方向のツール活用、自律的活動、多様な社会集団での 協働という3分野のコンピテンシーを身につけ、これらを本学が女性リーダー力の核と考える心遣い・知性・しなやかさという思考・行動特性のもと、適切に組み合わせ成果をあげられるようにします。学生が主体的に、また仲間と協働してコンピテンシーを開発できるしくみをつくります。

女性リーダーのためのコンピテンシー開発(イメージ図)

多様な食育の場に対応可能な高度専門家の育成

文部科学省特別経費プロジェクト (2010年度~2015年度)

食育の高度化・多様化に対応し、日本発のSHOKUIKUを新しい概念として海外に発信していくために、従来の食育の枠を超えた学際的な幅広い教養をもち、多様な場やレベルに応じて科学的根拠に基づいた情報を、正しく発信できる高度専門家を育成する。

多様な食育の場に対応可能な高度専門家の育成

校風をつなぐ女性科学者の育成 第二のマリー・キュリーをめざせ

日本学術振興会 国際交流事業 
若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム【ITP】 (2008年度~2012年度)

女性人材育成の土壌のある欧州研究機関に理学専攻の大学院生を派遣する。3つの段階を経て社会に羽ばたく「ホップ・ステップ・ジャンプモデル」を構築し、国際的視野をもつ女性研究者を育成する。

欧州パートナー機関位置図

『理学する心』を持つ小・中学校教員の指導者養成

独立行政法人 科学技術振興機構
理数系教員 (コア・サイエンス・ティーチャー) 養成拠点構築事業(2009年度~2012年度)

理科が好きで得意な小学校教員と理学部出身の大学院生を、指導力と教材開発力に優れた小・中学校教員に育てることを目指す。科目には、小・中学校の接続 を意識した理科と先端研究をつなぐ「CST理科教育法」、地域の教育資源を教材化するための「教材開発法」、夏休みの「自由研究指導法」、そして「教員研 修実践論」を学び、「教職インターンシップ」で教育現場を体験学習する。これら科目全てに合格した受講者は、CSTと認定され、各市区に設置する理数教育 支援拠点とCST専属理科支援員を活用し、地域の理数教育を振興する。

女性リーダーを創出する国際拠点の形成 -国際的に卓越した教育研究拠点機能の充実-

文部科学省特別経費プロジェクト 2010年度から
国立大学機能強化分特別経費 2015年度から
国立大学法人機能強化促進補助金 2016年度から

本取組は、本学が実践してきた「女性リーダー育成プログラム」の成果を踏まえ、先進的学際的な分野を開拓する女性研究者を育成する国際的拠点形成を目的とする。そのために、以下の事業を実施する。

  1. リーダーシップ教育の理論構築
  2. 女性の能力を開発する国際的ネットワークの構築
  3. 国際水準の女性研究者の育成システムの構築

女性リーダーを創出する国際拠点の形成

グローバル社会における平和構築のための大学間ネットワークの創成-女性の役割を見据えた知の国際連携-

文部科学省特別経費プロジェクト 2010年度
一般組替により実施(運営費交付金) 2011年度から
学内財源にて実施中 2016年度から

本取組では、グローバル社会における平和構築を目指して、先進国と開発途上国の大学、研究機関との国際的ネットワークを創成する。このネットワークは女性の役割を見据えた知的国際連携であり、アジア・中東・アフリカ地域における特に紛争後の国・地域における女性と子どものエンパワーメントを目指す。そのために、以下の事業を実施する。

  1. 女性と子どもの支援に関する国際協力のための世界各地の(女子)大学とのネットワークの形成
  2. 国際機関・国際NGOおよび援助機関の女性と子どもの支援に関するプロジェクトとの連携
  3. 教員・学生(院生)との協力と交流、卒業生組織による女性と子どもへの国際協力活動
  4. 平和構築に向けての国際協力人材育成のプログラム化と人材交流
  5. 国際貢献(平和構築、女性支援、子ども支援分野)における日本の(女子)大学のリーダーシップ

大学間ネットワークの創成

統合型学生支援システムの構築による女子高等教育機会の保証

文部科学省
大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム (2010年度~2013年度)

支援する側の視点から個別に展開されてきた、授業料減免施策、学寮施策、大学独自奨学金施策を見直し、被支援者である個々の学生ごとに、多様なニーズを 把握し、きめ細やかで効果的な統合型学生支援システムを構築する。また、留学生支援の拡充も図る。これにより、女子高等教育機会の均等化を図り、本学の教 育機能の基盤を確保するものである。

統合型学生支援システムの構築による女子高等教育機会の保証

附属学校園を活用した新たな学校教育制度設計に係る調査研究(文部科学省特別経費プロジェクト)

高度専門的研究力を持つ教員養成・現職研修システムの構築と幼小接続期の新学校制度開発
(2010年度~2015年度)

幼児 児童の「探究力・活用力」育成を目的とする新たな学校制度と教育課程を検討・開発するとともに、附属学校園を活用して「コア・ティーチャー」となる大学院生を育成し、教員の研究=探究力形成を促す教員養成・現職教員研修システムを開発・普及する。

高度専門的研究力を持つ教員養成・現職研修システムの構築

乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築(ECCELL)

文部科学省特別経費プロジェクト(2010年度~2015年度)

乳幼児教育に関心を持つ女性・社会人の学び直しの場を、教員養成・乳幼児教育における本学のリソースと連携しつつ新たに構築し、ケア的資質と戦略的子育て支援力のある人材の社会還元モデルを発信する。

乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築

国際水準の女性科学者の育成−お茶大型ホップ・ステップ・ジャンプモデル(平成22年度から平成24年度)

日本学術振興会 研究者海外派遣基金助成金【組織的な若手研究者等海外派遣プログラム】 2010年度から

指導的女性・女性研究者の育成をすること、及び国際交流を通じて国際的に認知される高度な水準の研究を行うことができる女性科学者の育成に取り組んでいる。対象として、ポスドク研究員や若手研究者に対する研究留学の機会を与え、海外で研究できる資源の幅を広げることで研究能力の向上が諮られ、多様なキャリアパスへとつながることが国際水準の育成を加速する。

国際水準の女性科学者の育成

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