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本学卒業生黒田玲子さんが 2013年度「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を受賞!

2012年10月24日更新

photo日本を代表する化学者であり、お茶の水女子大学理学部化学科卒業生の黒田玲子さん(くろだ・れいこ、東京理科大学総合研究機構教授、東京大学名誉教授)が2013年度「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を受賞しました。

この賞は科学における女性の活動を顕彰し、科学的使命をサポートするため、科学の発展に多大な貢献をした女性科学者に贈られる賞です。

今回の受賞理由は「自然界に広く現れる左右性現象に着目し、分子構造の左右性の関与を解明、神経変性疾患を含む幅広い応用研究に貢献」です。これは、遺伝子や蛋白質など自然界に存在する“分子のキラリティー”(左右性)現象が重要であることを明らかにし、有機・無機化合物ばかりではなく、アルツハイマー病などの幅広い応用研究にもつながる多大な貢献を成し遂げたことによります。
2013年3月28日にパリのユネスコ本部にて開催される授賞式において、賞金100,000USドル(約800万円)が授与されます。

日本から4人目の受賞者

過去に次の3人の日本人女性科学者が受賞しており、黒田さんは4人目の受賞者です。

  • 2000年度:日本の分子生物学の草分け的存在でDNAの不連続複製「岡崎フラグメント」で知られる岡崎恒子さん(名古屋大学名誉教授)
  • 2005年度:アモルファス半導体および液体金属の先駆的理論と、コンピュータシミュレーションによる解明で米沢富美子さん(慶応大学名誉教授)
  • 2009年度:世界で初めて、単一分子性金属の設計と合成に成功し、分子性伝導体の開発研究への貢献により小林昭子さん(日本大学文理学部化学科教授、東京大学名誉教授)

「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」について

2013 年で15周年を迎える同賞は、1998 年にロレアルとユネスコが世界規模で女性科学者の地位向上を目指すべく創設されて以来、科学分野の発展に貢献した女性科学者72名が受賞しています。今年度は「物理科学」の分野で目覚しい業績を挙げた世界の優れた女性科学者5名を発表しました。また、2008年の米国受賞者エリザベス・ブラックバーンと、欧州受賞者アダ・ヨナットが、それぞれ2009年ノーベル医学・生理学賞およびノーベル化学賞を受賞するという快挙を遂げており、「女性のノーベル賞」ともいわれています。

2013年度の受賞者は次のとおりです(敬称略)

  • 日本: 黒田 玲子 東京理科大学総合研究機構教授、東京大学名誉教授
  • ナイジェリア: フランシスカ・ンネカ・オケーケ (Francisca Nneka OKEKE) ナイジェリア大学ンスカ校教授
    受賞理由:気候変動の解明につながる、高層大気中におけるイオン電流の日周変動の理解に貢献
  • 英国: パラティバ・ガイ(Pratibha GAI) ヨーク大学教授
    受賞理由:新薬や新エネルギー源の開発につながる、細胞表面の触媒における化学反応の改良型電子 顕微鏡による観察の成功
  • ブラジル: マルシア・バルボサ (Marcia BARBOSA) リオ グランデ ド スール連邦大学ポルトアレグレ校教授
    受賞理由:地震発生の仕組みや疾患の治療に重要なタンパク質の形成の理解につながる、水の特性の一つを発見
  • 米国: デボラ・ジン(Deborah JIN) 国立標準技術研究所、コロラド大学ボルダー校教授
    受賞理由:医薬や新エネルギー源に重要な分子レベルの理解につながる、分子の冷却による化学反応のスローモーション観察に初めて成功

ロレアルグループ報道発表資料については、こちらをご覧ください。
日本ロレアル  

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