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モデル生物「ハリサンショウウニ」の全ゲノムを解読しデータベースを公開

2022年5月24日更新

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国立大学法人筑波大学
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所
国立大学法人お茶の水女子大学
国立大学法人広島大学

概要

ウニは古くから発生生物学や細胞生物学の教育・研究材料として世界中で利用されています。日本においては、バフンウニ(Hemientrotus pulcherrimus)が主に用いられており、本研究グループでは、2018年にバフンウニの全ゲノム解読を行い、公的に利用できる遺伝子のデータベースHpBaseを作成し発表しています。一方で、バフンウニは受精卵から成長した個体が次の世代を生み出すまでの性成熟サイクルが1〜2年と長く、世代を超えて伝わる遺伝形質を解析するための対象としては不向きでした。そこで、新たなモデルとなるウニの確立を目指し、さまざまなウニの発生や成長を調べたところ、ハリサンショウウニ(Temnopleurus reevesii)の性成熟サイクルが約半年と非常に短いことを発見し、ノックアウト系統を作成することなどによって、その有用性を示してきました。
本研究では、ハリサンショウウニの全ゲノム情報を解読するとともに、公的に利用できる遺伝子のデータベースTrBaseを作成し公開しました。これにより、ハリサンショウウニが、ゲノム情報の整備されたモデル生物として、より多くの研究者や教育者に利用可能となり、ウニの発生や成長を司る遺伝子機能の解析などの基礎研究のみならず、水産などの応用研究や教育分野での活用などに貢献することが期待されます。

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