

女性支援室長 菅本 晶夫

私は図らずも女性支援室長に任命されてしまった。今年はゆっくり過ごそうとのんびりしていた3月末日に、郷学長に突然呼び出されたのである。それ以降、目の回るような忙しさである。加えてセクシャルハラスメント等人権委員会委員長にもなった。幸い物理学科長の方は5月半ばで交代を許されたので、少しほっとした。
今まで恥ずかしいので、口に出したことのなかった話であるが、私には「男性の教育」と「女性の教育」の違いが分かっている…。「男性の教育は力をもって行う」あるいは「行ってきた」といった方が正しいかもしれない。私達男性はこのような教育を受けてきた。一方、女性は力をもって説得されることはなく人間を見る。したがって「女性の教育は人格をもって」行わなければならない。男性の教育も本当は、女性の教育と同じであるべきなのだろう。不思議なことに、男性の場合には力が長年通用した。しかるに女性を相手にすると、力ではだめであることが直ちに了解されるのである。本学は、この人格をもって行う教育を昔から行ってきたからこそ、優れた伝統を残しえたのではないだろうか。もう一度そのことを振り返ってみるのも悪くないだろう。
実際には、「人格7割力3割」位ではないかと思う。この「人格をもってする教育」とは、郷学長が提唱されている「供育」、すなわち「教員と学生・院生が供に学ぶことによって成長する」という言葉と同義語ではなかろうか。
さて本学は中期目標・計画において「お茶の水女子大学は、学ぶ意欲のあるすべての女性の夢の実現する場として存在する。」というミッションを掲げた。私は女性支援室において、「この夢の実現する場」を本学において整備し、教員と学生・院生とがお互いの人格を尊重しながら供に成長できる環境を作り出すためには、どうしたら良いのかを追求したいと考えている。
女性支援室の室員は極めて有能である。したがって夢を実現させるために必要なさまざまな「アイデア」を室員からご提案頂きがら、それらを一つずつ施策として実現させて行こうと、私は考えている。
H16年度 室長挨拶
H19-20年度 室長挨拶
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