○国立大学法人お茶の水女子大学利益相反マネジメント規則

平成21年11月9日

制定

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 利益相反マネジメント部会(第8条―第15条)

第3章 利益相反マネジメントの実施方法(第16条―第26条)

第4章 雑則(第27条・第28条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規則は、国立大学法人お茶の水女子大学利益相反マネジメントポリシー(以下「利益相反マネジメントポリシー」という。)に則り、国立大学法人お茶の水女子大学(以下「本学」という。)の役員及び職員(以下「職員等」という。)が産学官連携活動を行う上での利益相反マネジメントに関し必要な事項を定め、もって本学における産学官連携活動の適正かつ効率的な推進を図ることを目的とする。

(対象者)

第2条 この規則の対象者は、次の各号に掲げる者とする。

(1) 本学の役員及び職員

(2) 第8条に規定する部会が指定する者

(定義)

第3条 この規則において、「組織」とは本学及び国立大学法人お茶の水女子大学組織運営規則第4条から第14条及び第22条並びに国立大学法人お茶の水女子大学「お茶大アカデミック・プロダクション」規則第1条において定めるものをいう。

2 この規則において「個人の利益相反マネジメント」とは、前条に定める対象者(以下「職員等」という。)が産学官連携活動を行う上で、その活動や成果に基づき得る個人的利益が職員等としての責務又は公共の利益を損なわないよう適正に管理することをいう。

3 この規則において「組織の利益相反マネジメント」とは、組織又は職員等が組織の意思決定に関わる際、その意思決定に影響する又は影響し得る特定の企業等との経済的利害関係によって、大学の経済的利益が社会的責任又は公共の利益を損なわないよう適正に管理することをいう。

(個人の利益相反マネジメントの対象範囲)

第4条 個人の利益相反マネジメントの対象となる事象は、次の各号に掲げる場合とする。

(1) 職員等が企業及び団体等(以下「企業等」という。)と産学官連携活動を行う場合で次のいずれかに該当するとき

 当該企業等から別に定める一定額以上の金銭又は便益の供与を受ける場合

 当該企業等から別に定める一定額以上の物品・サービス等の供与を受け又は購入する場合

 当該企業等から別に定める一定比率以上の持分の株式、出資金、新株予約権及び受益権等(以下「株式等」という。)を取得する場合

 本学の学生等を産学官連携活動に従事させる場合

(2) その他、第8条に規定する部会が対象事象と認めた行為を行う場合

(組織の利益相反マネジメントの対象範囲)

第5条 組織の利益相反マネジメントの対象となる事象は、次の各号に掲げる場合とする。

(1) 組織が、次に掲げる行為を行う場合

 企業等と産学官連携活動を行う場合

 企業等から別に定める一定額以上の金銭又は便益の供与を受ける場合

 企業等から別に定める一定額以上の物品・サービス等の供与を受け又は購入する場合

 企業等から別に定める一定比率以上の持分の株式等を取得する場合

 産業競争力強化法(平成25年法律第98号)で規定する特定研究成果活用支援事業を行う場合

 大学が保有する知的財産権の実施により収入を得る場合

 その他、第8条に規定する部会が対象事象と認めた行為を行う場合

(2) 役員、副学長、組織の長及び事務組織の各課長が、次に掲げる行為を行う場合

 企業等から別に定める一定額以上の金銭又は便益の供与を受ける場合

 企業等から別に定める一定比率以上の持分の株式等を取得する場合

 その他、第8条に規定する部会が対象事象と認めた行為を行う場合

(利益相反マネジメント総括責任者)

第6条 本学に、本学における個人の利益相反マネジメント及び組織の利益相反マネジメント(以下「利益相反マネジメント」という。)に関する総括をさせるため、利益相反マネジメント総括責任者(以下「総括責任者」という。)を置く。

2 総括責任者は、産学連携を担当する副学長をもって充てる。

(利益相反マネジメント全学実施責任者)

第7条 本学に、総括責任者の命を受け、本学における利益相反マネジメントに関する事務を掌理させるため、利益相反マネジメント全学実施責任者(以下「全学実施責任者」という。)を置く。

2 全学実施責任者は、監査室長をもって充てる。

第2章 利益相反マネジメント部会

(設置)

第8条 本学は、利益相反マネジメントを適正に行うため、監査室に利益相反マネジメント部会(以下「マネジメント部会」という。)を置く。

(所掌事項)

第9条 マネジメント部会は、職員等及び組織に係る利益相反を適正に管理するため、次に掲げる事項を所掌する。

(1) 利益相反マネジメントに係る基本方針に関する事項

(2) 利益相反に係る調査に関する事項

(3) 利益相反に係る審査及び回避要請等に関する事項

(4) 本学内外からの利益相反の指摘に係る対応に関する事項

(5) その他本学の利益相反に係る重要事項に関する事項

(組織)

第10条 マネジメント部会は、次に掲げる部会員をもって組織する。

(1) 総括責任者

(2) 全学実施責任者

(3) 総務を担当する副学長

(4) 人事労務課及び研究・産学連携課から選出された職員各1人

(5) その他、部会長が必要と認めた者

(6) 再審査のために部会長が必要と認めた者

2 前項第4号から第6号の部会員は、学長が任命する。

(任期等)

第11条 前条第1項第4号から第6号の部会員の任期は、その都度定める。

(部会長)

第12条 マネジメント部会に部会長を置き、総括責任者をもって充てる。

2 部会長は、マネジメント部会を総理する。

3 部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ指名した部会員がその職務を代理する。

(部会員以外の者の出席)

第13条 マネジメント部会が必要と認めたときは、部会員以外の者に出席を求め、意見を聴くことができる。

(利益相反アドバイザー)

第14条 本学に、利益相反アドバイザーを置く。

2 利益相反アドバイザーは複数人を置くことができる。

3 利益相反アドバイザーは、利益相反に関する知識を有する弁護士及び公認会計士並びに利益相反に関し高度な実務経験及び学識経験を有する者等の学外有識者のうちから、学長が委嘱する。

4 利益相反アドバイザーは、マネジメント部会からの求めに応じ、利益相反マネジメントについて適切な助言・指導を行い、またマネジメント部会が行う活動内容について検証及び評価を行うものとする。

5 利益相反アドバイザーの委嘱期間は2年とし、再任を妨げない。

(利益相反カウンセラー)

第15条 本学に、利益相反カウンセラーを置き、リサーチ・アドミニストレーターをもって充てる。

2 利益相反カウンセラーは、利益相反に関する日常的な相談窓口として、職員等からの利益相反に関する相談を、随時受け付けるものとする。

3 利益相反カウンセラーは、職員等からの利益相反に関する相談への対応について、マネジメント部会と連携を図るとともに、必要に応じて、マネジメント部会に報告するものとする。

第3章 利益相反マネジメントの実施方法

(申告)

第16条 職員等は、原則として年1回所定の時期にマネジメント部会が実施する調査において、第4条に該当する事象について申告を行うものとする。

2 役員、副学長、組織の長及び事務組織の各課長は、原則として年1回所定の時期にマネジメント部会が実施する調査において、第5条第2号に該当する事象について申告を行うものとし、新たに同条同号に該当する行為を行う際には、随時、マネジメント部会に申告を行うものとする。

3 マネジメント部会は、職員等が行う兼業に関する申請のうち、利益相反マネジメントの対象となるものについて、その申請情報を人事労務課から収集するものとする。

(個人の利益相反マネジメントの実施)

第17条 マネジメント部会は、前条第1項及び第3項の申告及び情報に基づき、職員等の利益相反に関して大学として許容できるか否かについて審査する。

2 マネジメント部会は、前項の審査に当たり、必要に応じてヒアリングや関係各部署への調査を行うことができる。

3 マネジメント部会は、第1項の審査の結果、回避要請が必要と認められる場合は、関係する職員等に対し、回避要請の通知を行い、改善に向けた指導・管理を行う。

4 マネジメント部会は、学長に対し、第1項の審査結果を文書でもって報告する。

5 マネジメント部会は、第3項の通知を行った後も、引き続きその実施状況を把握するものとし、必要に応じて職員等に調査を行うことができる。

6 第1項において、前条第3項に係る情報のうち、技術移転事業者等兼業に関する事象を審査した場合、マネジメント部会はその審査結果を国立大学法人お茶の水女子大学職員兼業規程実施細則第5条に規定する国立大学法人お茶の水女子大学兼業審査委員会に提供するものとする。

(不服申立て)

第18条 前条第3項の規定により回避要請の通知を受けた者は、その内容について不服がある場合には、30日以内に学長に対し書面により不服申立てを行い、再審査を求めることができる。

2 学長は、不服申立てを受理したときは、不服審査委員会を設置するとともに、不服申立てを行った者に通知するものとする。

3 不服審査委員会は、学長が指名した者3名で組織する。

4 不服審査委員会は、マネジメント部会の審査結果及び関係資料を審査するとともに、必要に応じて関係者に対する事情聴取を行い、再審査の必要性を審議し、学長に報告するものとする。

(再審査)

第19条 学長は、前条により再審査の必要があると認めたときは、部会長に対し再審査を命ずるものとする。

2 不服申立てを行った者は、再審査の結果に対して異議を申立てることができない。

3 再審査の手続は、第17条の規定を準用する。

4 再審査に当たるマネジメント部会は、第10条第1項第1号から第3号及び第6号の部会員若干名により構成するものとする。

(組織の利益相反状況の把握等)

第20条 全学実施責任者は、本学組織が保有する第5条第1号に掲げる組織の利益相反マネジメントの対象となる事象に係る情報を収集しなければならない。

2 マネジメント部会は、第16条に規定する申告により得られた第5条第2号に掲げる組織の利益相反マネジメントの対象となる事象に係る情報及び前項の情報に基づき、利益相反の状況を把握し、適正に管理するものとする。

(組織の利益相反マネジメントの実施)

第21条 全学実施責任者は、組織が次に掲げる行為を行うときは、事前にその旨をマネジメント部会に報告しなければならない。

(1) 別に定める一定額以上の研究費を受け入れる共同研究、受託研究等の契約

(2) 別に定める一定額以上の物品購入、サービスの導入等

(3) 別に定める一定額以上の寄附(金銭、物品及び株式等によるものを含む。)の受入れ

(4) 寄附講座及び寄附研究部門並びに社会連携講座の設置

(5) 産業競争力強化法で規定する特定研究成果活用支援事業の実施

(6) その他、マネジメント部会が対象事象と認めた行為

2 マネジメント部会は、前項の報告に基づき、第20条第2項の管理状況も踏まえ、利益相反を審査の上、全学実施責任者に対し、承認又は要回避の別により通知する。

3 マネジメント部会は、前項の規定により要回避の通知をした場合には、学長に報告するものとする。

4 全学実施責任者は、第2項による要回避の通知を受けた場合、当該行為の決定に際し、通知に係る要回避事項が反映されるように管理・監督を行う。また当該組織の職員等に対し、通知に係る要回避事項が実行されるように管理・監督を行う。

(外部からの指摘への対応)

第22条 外部から、第16条の規定により申告を行った職員等に対し利益相反の指摘があったとき又は組織に係る利益相反の指摘があったときは、総括責任者、全学実施責任者及び広報を担当する副学長が、学長と対応を協議し、本学として必要な説明を行う。

(情報公開)

第23条 マネジメント部会は、本学の利益相反に関する情報を必要な範囲で学外に公表することにより社会に対する説明責任を果たすものとする。

2 マネジメント部会は、学内外への情報公開に当たって、第16条の規定により申告を行った職員等の個人情報の保護に留意するものとする。

(秘密の保持)

第24条 マネジメント部会及びその他利益相反状況への対応に関わる全ての者は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

(利益相反マネジメント自己申告書等の保存)

第25条 マネジメント部会は、提出された利益相反マネジメント自己申告書等及び開示資料・審議資料等の利益相反マネジメントに関係する書類を、5年間保存するものとする。

(検証及び評価)

第26条 マネジメント部会は、その活動内容について利益相反アドバイザーによる検証及び評価を受けるものとする。

第4章 雑則

(事務)

第27条 利益相反マネジメントに関する事務は、人事労務課及び研究・産学連携課の協力を得て、監査室が行う。

(雑則)

第28条 この規則に定めるもののほか、利益相反マネジメントに関し必要な事項は、別に定める。

1 この規則は、平成21年11月9日から施行する。

2 この規則の施行後最初に選出される委員の任期は、第7条第1項の規定にかかわらず、平成23年3月31日までとする。

(平成23年2月23日)

この規則は、平成23年2月23日から施行し、平成23年1月1日から適用する。

(平成25年3月25日)

この規則は、平成25年4月1日から施行する。

(平成26年7月29日)

この規則は、平成26年8月1日から施行する。

(平成27年3月25日)

この規則は、平成27年4月1日から施行する。

(平成29年3月31日)

この規則は、平成29年4月1日から施行する。

(平成31年3月29日)

この規則は、平成31年4月1日から施行する。

(令和2年3月31日)

この規則は、令和2年4月1日から施行する。

国立大学法人お茶の水女子大学利益相反マネジメント規則

平成21年11月9日 制定

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第7編 研究協力
沿革情報
平成21年11月9日 制定
平成23年2月23日 種別なし
平成25年3月25日 種別なし
平成26年7月29日 種別なし
平成27年3月25日 種別なし
平成29年3月31日 種別なし
平成31年3月29日 種別なし
令和2年3月31日 種別なし