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2015年オープンキャンパス(生活科学部) 7月19日 学長挨拶

2015年7月19日更新

2015年オープンキャンパス(生活科学部) 7月19日 学長挨拶

本日は猛暑の中、多くの方々にお茶の水女子大学生活科学部のオープンキャンパスにお運び頂き、まことに有難うございます。酷い暑さですので、熱中症が危惧されます。どうぞ、水分補給などに努めて頂きたくお願い致します。
 短い時間ではありますが、この機会を利用されて、本学の教育と研究、学生支援策などについて、より良くご理解頂ければ幸いです。また、今年140周年を迎える本学のキャンパスをご覧頂き、伝統と歴史の一端を感じ取って頂ければ嬉しく思います。

 お茶の水女子大学の歴史は、日本初の女性のための高等教育機関として1875年に東京「御茶ノ水」の地に「東京女子師範学校」として設立されたことに始まります。そして、文科、理科、家政科から成る女性のための高等師範学校として、優れた女性教育者の育成に当たってきましたが、第二次世界大戦後の1949年に新制大学としての「お茶の水女子大学」が発足し、小さいながらも74年の女子教育の歴史を持った、文教育学部、理学部、家政学部(現在の生活科学部です)の3学部体制による「総合大学」としての歩みを開始しました。新制大学に移行する際に、発祥の地である「御茶ノ水」の名が、大学の名称になりました。
 その後、1963年に大学院修士課程が、1976年に博士課程が設置されました。
 その歴史の中で、本学からは、数多くの優れた女性教育者や研究者が輩出されています。
 後で学部長や学科長から詳しいご説明がありますが、現在、本学の生活科学部は、食物栄養学科、人間・環境学科、人間生活学科の3学科からなり、食物栄養学科と人間・環境学科が理系の学科、人間生活学科が文系の学科です。
 理系では、年々、社会的に理系女性人材を育てようとの機運が高まって、様々な支援体制も出来上がってきており、理系を選ぶ女性たちにとって、今はとても良い時代なのではないかと思います。理系を目指す皆さんには、是非この良い機会を利用して、それぞれの夢を実現させていただきたいと思っています。
 文系学科である人間生活学科は、さらに、発達臨床心理学講座、生活社会科学講座、生活文化学講座の3つの講座に分かれて居り、相互の連携をとりながら、社会の変化に対応した、特色ある教育と研究を進めています。

 生活科学は、その名の通り、生活に根ざした学問分野です。
 食物栄養学科、人間・環境学科においては、それぞれの研究室で、人々の生活を豊かにするための様々な課題に取り組んでいます。また、わが国で最初の大学院「生活工学」専攻も、来年度から立ち上がる予定です。いくつかの資格取得にも結びつくプログラムが用意されていますが、さらにその次の時代に向けて、研究者への道も用意されています。
 人間生活学科の発達臨床心理学講座では、小児から高齢者までの人の生涯を通じた発達過程を理解し、そこで起こってくる様々な課題解決に向けた教育と研究が実施されています。生活社会学講座では、生活者の視点から様々な社会的な課題を捉え、社会学的な手法を駆使して、課題解決に向けた教育と研究を進めています。また生活文化学講座では、生活に関わる様々な文化を対象として、新しい文化論の構築を目指して教育と研究を推進しています。

 本学の卒業生は、女性が学術研究を行うことが困難な時代から、広い視点に立って、国の内外で活躍してきました。卒業生、修了生は、大学や国・公立の研究所、初等・中等学校、様々な企業および企業の研究所、政府機関や県庁・市役所等の地方行政機関、裁判所などの司法機関、テレビ局や新聞社などの報道機関、独立行政法人や社会福祉法人、金融機関、など多様な場で活躍し、周囲からの信頼も集めて、後に続く女性たちのために道を拓いてくれています。
 よく知られた卒業生の例を挙げますと、わが国の女性科学者として、初めて米国へ留学し、初めて海外の学術誌に論文を発表して、初の女性理学博士となった保井コノさんや、女性で初の帝国大学生となり、二人目の女性理学博士となった黒田チカさん、また、第2次世界大戦前後の困難な時期にフランスに渡って、ジョリオ=キュリー夫妻の許で国際的な女性物理学者として活躍した湯浅年子さんーこの方は日仏両国にて学位を取得しています、それから、女性に正式の研究者としてのポストがない状況で、帝国大学で副手として研究を続け、初の女性農学博士となった辻村みちよさんなどを先駆けとして、現在に至るまでに多くの学者・研究者が育って、国の内外で活躍しています。わが国初の女医として知られている荻野吟子さんも、本学の卒業生の一人です。

 現在も、様々な領域で活躍している女性たちの出身大学や大学院を見てみますと、本学出身の方が多いことに驚かされます。
 そして今、本学からは、学部から約500名、修士課程から約250名、博士課程から約60名の卒業生、修了生が社会に巣立って行き、大学や国・公立の研究所、初等・中等学校、様々な企業および企業の研究所、府省や県庁・市役所等の行政機関、裁判所などの司法機関、テレビ局や新聞社などの報道機関、独立行政法人や社会福祉法人、金融機関、など、多様な職場で、周囲からの信頼も集めて、活躍しています。

 2004年に、全ての国立大学が国の組織から独立した「国立大学法人」となりました。その際に、お茶の水女子大学は、世界中の全ての女性たちの夢の実現を支援することを目指し、また、国境を越えた研究と教育文化を創造することを目指して、『学ぶ意欲のある全ての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する』とのミッションを掲げました。そして、学びたくても学ぶことのできない開発途上国の女性たちをも含めて、国籍や年齢を問わず、全ての女性たちの成長と資質能力の開発を支援するための活動を開始しました。本学で学ぶ学生たちが、世界中の女性たちと学びを共有し、多様な文化と異なる価値観や考え方を持った人々と深く理解しあうこと、そして、互いに切磋琢磨しながら自らを成長させていくことを願って、グローバルな女子教育へと舵を切りました。 それから11年、本学は世界に向けて大きな窓を開き、様々な国からの留学生を受け入れ、また、日本人の学生達の様々な国への留学を後押ししています。
 これまでに、本学の学部と大学院は、世界54カ国もの国々からの留学生を迎えています。昨年10月現在で26カ国258名の留学生が在籍しており、学生・院生や研究者の交流協定を結んでいる大学も、現在64校に上っています。
 本学の教職員たちは、本学における教育・研究を通して、若い女性たちが、社会の知的基盤を支える中核的人材として育って下さること、時代をリードする学術研究や公教育、政策立案などを担う人材となって下さること、新たな文化を開くと同時に、日本と世界の様々な課題に取り組み、課題解決に向けて貢献することの出来る、グローバル女性リーダーとして育って下さることを願っています。そして、学ぶ意欲のある国内外の学生たちを心から応援し、優れた教育と研究の環境を作るために、精一杯努力しています。

 今日ここにお出で下さっている方々の多くが、本学を学びの場として選んで下さることを心から期待しています。

 本日は、本学受験を考えてくださっている若い方々に加えて、多くの保護者方々にもお出でいただきました。
お暑い中、ご参加くださり、まことに有難うございました。

  平成27年7月19日

お茶の水女子大学長
 室伏 きみ子

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