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2022年度「第10回 湯浅年子賞」選考結果報告

2023年2月21日更新

湯浅年子賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 理学部長 小林 功佳

第10回湯浅年子賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の者を湯浅年子賞「銀賞」候補者として学長に推薦し了承を得ました。
「湯浅年子賞」設立趣旨についてはこちらをご覧下さい
お茶の水女子大学賞「湯浅年子賞」

湯浅年子賞 銀賞

飯沼 裕美 氏
(茨城大学大学院理工学研究科 准教授)

業績「ミュオン異常磁気能率・電気双極子能率の同時観測法の開発 」

 飯沼氏は、独創的発想に基づくミュオン異常磁気能率パラメータと電気双極子能率パラメータの同時観測実験手法を新たに提案し、その実現に向けてビームラインシステム開発を先導して行って参りました。特に、飯沼氏は三次元らせんビーム入射法を自身で発案し、上記パラメータの同時観測への道を切り拓きました。最近は実証の見通しを得る成果も収めております。上記パラメータの同時観測は、素粒子標準理論の綻びを検証する重要な実験となるとともに、標準理論を超える物理現象の確かな証拠をつかみ、その背後にある時間反転対称性の研究にもつながり、物理学の分野において重要です。先行しておこなっている他の実験では、電気双極子能率パラメータの同時測定は不可能であり、同時測定を可能とした飯沼氏の業績は高く評価されます。
 本選考委員会は、以上のような飯沼氏の顕著な業績は湯浅年子賞「銀賞」を授賞するに相応しいものであると判断しました。

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