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2020年度「第5回 保井コノ賞」選考結果報告

2021年2月19日更新

保井コノ賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 理学部長 小林哲幸

第5回保井コノ賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の者を保井コノ賞候補者として本学学長に推薦し、了承を得ました。
 「保井コノ賞」設立趣旨についてはこちらをご覧ください 

保井コノ賞

原口 徳子 氏
(大阪大学大学院生命機能研究科 特任教授)

業績「生細胞蛍光イメージング技術の開発による細胞核の構築機構の解明」

  原口氏は、生きている細胞を連続観察できる技術である生細胞蛍光イメージングの黎明期においてパイオニア的役割を演じました。その卓越した生細胞蛍光イメージング技術を用いて、「細胞が生きて活動するためには細胞核が細胞分裂の度に時空間的にどのように構築され機能するか」という、生物学の根源的な課題に挑み、多くの優れた成果を上げてきました。また、長年にわたり生細胞イメージング技術の啓発に努め、若手研究者の育成にも貢献してきました。海外での研究経験も豊富で国際学会での発表も多く、関係分野での評価も高く、育児と両立して研究ができる環境を自身の研究グループで実現するなど、女性研究者の育成活動にも積極的に関わってきました。
 以上のことから、本選考委員会は、原口氏の顕著な業績は保井コノ賞を授賞するに相応しいものであると判断しました。

佐藤 あやの 氏
(岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 准教授)

業績「ゴルジンタンパク質によるゴルジ体形成とその周辺輸送制御の機序解明に関する研究」

 佐藤氏は、糖鎖とタンパク質であるアネキシンの相互作用に関する生化学的研究を起点として、細胞内で糖鎖産生に関わる細胞小器官であるゴルジ体の形成とその周辺輸送制御の研究を展開し、当該専門分野の研究発展に大きな貢献をしてきました。特に、ゴルジンと呼ばれる、ゴルジ体に存在して触手のように膜や細胞骨格、小胞などを引き寄せる役割を果たすタンパク質について、先駆的で独創的な研究を行っています。海外での研究経験も豊富で国際学会での発表も多く、関係分野での評価も高く、また、女性研究者の少ない工学部においてロールモデル的な役割を演じ、女性研究者の育成活動にも積極的に関わってきました。
 以上のことから、本選考委員会は、佐藤氏の顕著な業績は保井コノ賞を授賞するに相応しいものであると判断しました。

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