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平成28(2016)年度「第1回 小泉郁子賞」選考結果報告

2017年2月17日更新

平成28(2016)年度「第1回 小泉郁子賞」選考結果報告

小泉郁子賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 文教育学部長 菅原ますみ

第1回小泉郁子賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の方を小泉郁子賞候補者として本学学長に推薦し、了承を得ました。

小泉郁子賞

小山 弓弦葉 氏(東京国立博物館工芸室長)

業績『「辻が花」の誕生 -<ことば>と<染織技法>をめぐる文化資源学』

小山氏は日本美術史の研究者で、その研究成果は「「辻が花」の誕生―<ことば>と<染色技法>をめぐる文化資源学」(東京大学出版会)として刊行されている。本書では、室町時代の「縫い締め絞りの模様染」の染色技法として知られてきたが、この言説が中世史料にはないことに疑問を持ち、絵画や文字資料等多様な資料を体系的に分析し、それが元来は型紙や糊防染によって模様を染めた帷子であったことを解明した。さらに、「辻が花」が、パトロンや消費者、コレクションをめぐる美術市場や出版業界による社会的・文化的状況のなかで、“幻の染”として神話化される過程を明らかにし、日本染色史研究を一新した。このような従来の美術史や風俗史の枠組みを超えた新しい研究成果が高く評価され平成27年度に日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞を受賞した。

以上

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