我が国において、大学国際化について議論されるとき、その課題の一つに英語による授業の実施がある。授業を提供する教員においても、また履修する学生においても様々な困難が予想される。以前より中東は、特に自然科学系の学部では完全な英語による授業であると聞いていた。エジプトの主要言語はアラビア語である。英語の授業においてアラビア語を母語とするものが直面しした困難やそれに対する工夫があったはずで、それらについて収集される知見は、近い将来、わたしたちにとり有益なものとなる可能性がある。そこで、協定校であるエジプト・マンソウラ大学に依頼、理学部のMagda AKL氏にはその調整役をお願いし、授業への参加および英語による授業に伴う教員の工夫に関して懇談する機会を作って頂いた。マンソウラはカイロから車で二時間半、カイロとポートサイドどの間にあり、エジプト=砂漠のイメージとは程遠い、ナイルデルタに位置する緑豊かな地方都市である。
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