生活世界の安全保障 6 社会技術革新学概論:増田 優 [ライフワールドウォッチセンター] |
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LA科目を担当して |
この授業では、毎回必ず最後に小レポートを書いてもらっています。10分という短い時間で、自分の価値観を明確にし、論理的に文章で表現する訓練をしています。
小レポートは、次回の授業の最初に活用します。個々の学生は、それぞれきちんとした意見をもっているのですが、授業中の発言が少ないので、その解消にもなればいいと思っています。
また、多様な価値観を一つに集約することの難しさ、社会のコンセンサスを作るということはどういうことなのか、どうやってやるのか、という訓練にもなります。原理原則を立てつつ、自らの主張を多様な価値観にぶつけ、検証していくわけです。
高校と大学の勉強は大きく違います。高校では知識の勉強の仕方を身につけ、大学ではその知識を活用する方法を身につける、いってみれば、原料の買い付けの方法を学習するのが高校までで、その原料を製品に加工する練習をするのが大学、というわけです。
「知」とは知識を得ることではなく、「意見を言える力を身につける」ことというのが、私の考えるリベラルアーツです。 |
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学生の皆さんへ |
現代社会を的確に理解し、自ら行動できる素地を作ってください。
そして、どんどん世の中で発言し、行動していってほしいと思います。そのためにはまずは自分で考える、そして自分の頭にあることを人前で発言する。その基本は事実に基づいて論理的に思考し表現することです。そうすれば、客観性が高まり、さらに広く展開をしていくことが可能になるからです。
それこそが大学の教育を受けた人間の行動だと思います。 |
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授業(潜入ルポ?!) |
最初に前回提出の小レポートへの先生からのコメントがあります。これがなかなか興味深く、教員・学生双方の取り組みぶりが伺えます。
講義の内容はテーマにそって多岐にわたり、一体先生は何が専門なのか、と眩暈がする思いです。しかし、事項の一つ一つを丁寧に、先生の実体験も交えて説明があり、複雑に絡み合う現代の社会や現代技術の一端をのぞかせてくれます。最後に課題が提示され、小レポートを書いて提出して終了です。
社会と政治とビジネスと。受け身ではなく、自分が主役で物事を決め、それぞれの価値観、倫理観、ルール意識で物事を見ると、どうなるのか考える。とことん考える。そして形にする。そのための授業だということを実感する、授業でした。 |
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取材(文・写真):教育企画チーム 野口香織 |