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秋篠宮妃殿下ご臨席のもと、国際シンポジウム開催

 お茶の水女子大学グローバル協力センターでは、7月4日(土)に国連大学ウ・タント国際会議場で国際シンポジウム「お母さんと子どものために〜私たちができること〜」を開催しました。本シンポジウムは、お茶の水女子大学グローバル協力センターが主催し、国連人口基金東京事務所及び特定非営利活動法人 HANDS(Health and Development Service)との共催で開催いたしました。

 本シンポジウムを開催するにあたって、秋篠宮妃殿下のご臨席を賜ると共に、おことばをいただきました。

第1部では、「世界の現場を知る」をテーマに、国連人口基金東京事務所長の池上清子氏がモデレーターとなって進められました。まず、NHK国際部記者の西川光子氏がチャドの過酷な出産現場の現実を映像を使って説明され、NPO2050理事長の北谷勝秀氏が40年前インドネシアでの奥様の出産に関するお話しをなさいました。また、希望の学校代表で、本学グローバル協力センター客員准教授でもある駿渓(スルタニ)トロペカイ氏がアフガニスタンの女性と子どもの教育の現状から、アフガニスタンの復興支援に今、最も必要なものは「水」と「教育」であることを訴えられました。さらに、HANDSプログラム兼マーケティング・オフィサーの溝上芳恵氏は、ブラジル・アマゾンでの保健教育プロジェクトに関する取り組みについて話されました。

第2部では、「日本の現場:私たちができること」をテーマに、HANDS代表理事および大阪大学人間科学研究科教授の中村安秀氏がモデレーターとして、進行をしていただきました。
 まず、専門家として、お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科教授、グローバル協力センター長の内海成治が「思いを形にする」というテーマのもと、2002年以降アフガニスタンでの復興支援事業に関わり、長期短期滞在も含め、調査研究に関わっている経験から、アフガニスタンの現状を報告すると共に、大学教員の立場から若い世代に向けて「私たちができること」について話しました。
 また、社団法人日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫氏は、特に来場の高校生、大学生に向けて、開発途上国の妊産婦の問題だけではなく、日本の青少年のリプロダクティブヘルスの問題こそ危機的な状況であることを訴えられました。

その後、津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学、お茶の水女子大学の在学生、卒業生が、それぞれの立場から今、自分たちが取り組んでいること、考えていることについて発表を行いました。「私たちができること」には、「直接的、半間接的、間接的と様々な段階があるが、それは全て開発途上国の人々とつながっている」という登壇者のコメントには、世代を問わず、来場者の多くの方々が新たな見解を得られたようでした。
 本シンポジウムは、大学(お茶の水女子大学)、国連機関(国連人口基金東京事務所)、NGO(HANDS)の立場の異なる3機関が連携して、開発途上国の「女性」と「子ども」をテーマに開催いたしました。当日は、会場のウ・タントホールが満席となり、380名を超えるご来場者数となりました。学生をはじめ、多くの方々が熱心に開発途上国の現実に耳を傾けられ、それに対して「私たちができること」について真剣に考えられていらっしゃる熱気が感じられたシンポジウムとなりました。

これを機に、本学ではさらに開発途上国の女性や子どもに関する支援に取り組んで参りたいと考えております。

 本シンポジウムにご協力、ご参加いただきました皆様に心より御礼申し上げます。



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