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石井クンツ昌子教授が国連のExpert Group Meetingに参加

 先日、ジュネーブで国連のExpert Group Meetingが開催されました。世界の様々な地域から10名のエキスパートが招聘され、「女性と男性の平等責任」について深い議論がなされましたが、アジア代表のエキスパートとして参加された生活科学部の石井クンツ昌子教授から、会議の様子などについてレポートをいただきましたので、ご紹介いたします。


国連のエキスパートグループ会議に出席して

生活科学部 生活社会科学講座
石井クンツ昌子

 私は10月5日から9日までジュネーブの国連で開催されたエキスパート(専門家)グループ会議に出席してきました。この会議のテーマは「HIV/AIDSのケアを含む男女平等責任分担」(The equal sharing of responsibilities between women and men including caregiving in the context of HIV/AIDS)です。参加者は私を含む10名でデンマーク、イギリス、米国、南アフリカ、ナイジェリア、ジンバブエ、アルゼンチン、インド、バルバドスの経済学者、社会学者、ジェンダー研究者などでした。この会議の目的は「男女平等責任分担」に関する政策提言を作成して国連事務総長へ提出し、2009年3月までに国連加盟192カ国へ発信することです。更に、2年後には各国で実際にどのようにこの政策提言を参考にして男女平等責任分担を推進したのかを評価するために、その際に使用する評価基準も作成しました。これらの政策提言は国連のエキスパートグループ会議のホームページにも掲載されます。

  国連 Expert Group Meeting

 今回の会議は10月5日の予備会議から始まり、6日と7日の午前中まで各エキスパートが報告をしました。私は自分の専門分野である日本の家庭内性別役割分担と父親の子育て・家事参加の実情と問題点についての報告をしました。その後、ワーキンググループに分かれ、私はグループリーダーとして家庭内の平等な役割分担を促進する政策提言報告書を作成しました。世界中から集まったエキスパートたちと「男女平等責任分担」に関しての討論を行うことができ、全体的にとても刺激的かつ有意義な会議でした。日本では未だに「男性は仕事、女性は家庭」といった規範が根強く残っています。しかし、今回の政策提言を基盤にした国連からの「外圧」で今後日本政府から画期的な政策が出され、この風潮が変わっていき、女性も男性も家庭と仕事を平等に分担できるような社会になることを期待しています。また、お茶の水女子大学は日本におけるジェンダー研究が最も長く、優秀な学生や院生が多いので、今後、グローバルな立場で男女平等を推進し活躍していく人材が輩出されることを望んでいます。

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