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本学の4建造物が有形文化財に登録される

 お茶の水女子大学の4つの建造物が有形文化財に登録されることになりました。 「大学本館」「大学講堂」「附属幼稚園園舎」「大学正門」です。(12月7日 国の文化審議会が答申)

1.大学本館
 「大学本館」は、関東大震災後の1932年(昭和7年)に、不燃構造による校舎復興の一貫として建築されたものです。昭和初期の国立高等教育機関の建築デザインを残す貴重な建造物であるだけでなく、卒業式の皇后臨席に関連して「貴賓室」を有していることでも歴史的価値を有します。通常、高等教育機関は、知の集約性の象徴として中央部に塔を配することが多いなかで、大学本館は、パラペット頂部を表現主義風のカーブでまとめ、左右の窓を2連窓にして、窓台を白にし、立面のアクセントにしています。知を女性に拡げ、万人が共有し追求していくものであることを願う本学の建学当初からの一貫した願いが、このデザインに込められていると言えるでしょう。前面の植物文様のレリーフも、環境重視の現代を予見する本学の先見性を示しているかもしれませんね。

大学本館 大学本館

2.大学講堂
 「大学講堂」は大学本館と同年に、それと一体化する構造で建設され、日々の教育・研究と、学舎で学び、研究し、働く人々が集う機会を、有機的に結びつけたものです。大学講堂は「徽音堂(きいんどう)」と呼ばれ親しまれていますが、この名称を記した額は、いまも舞台上に掲げられています。この両方の建造物は、歴史的価値の維持を基本方針に掲げて、近年、注意深く改修されました。

大学講堂 大学講堂

3.附属幼稚園園舎
 「附属幼稚園園舎」は1931年(昭和6年)に竣工されましたが、特筆すべき点は、平屋構造であるにもかかわらず、鉄筋コンクリート造であることです。その天井の高さ(保育室で3.35m、中廊下で4.15m)を見るだけでも、幼児教育に対する本学の高い理想が反映された特別の施設であることがわかります。床は当時より、タイル張りの玄関ホールをのぞき、すべて楢材のフローリングで、各保育室の出入り口上部には、クラス名に対応した文様の美しいステンドグラスが配されています。

附属幼稚園園舎 附属幼稚園園舎

4.大学正門
 「大学正門」は、一対の門柱とその両脇の塀で構成されています。全体的にシンプルで、各面の平面性を強調するデザインです。照明器具も「線」と「面」という幾何学的要素で造型され、近代建築の美学が反映されています。昭和初期の時代をしのばせる歴史的価値を有する建造物です。

大学正門 大学正門
学内配置図:クリックで拡大します。

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