News&Info

細矢治夫先生(本学名誉教授) 日本化学会化学教育賞受賞

細矢治夫名誉教授  「数理・論理に根ざした化学教育の改革への貢献」に対して、細矢治夫名誉教授に、平成17年度の日本化学会化学教育賞が授与されました。日本化学会は、個人会員3万2千人、法人会員・公共会員1100余りの化学系学会としてわが国最大規模の学会です。細矢治夫先生は、昭和44年にお茶の水女子大学に着任されて以来、理学部化学科および情報科学科における学生の指導と研究活動、さらに学内外において数理化学的な研究の成果を化学の普及と教育に活かす活動を精力的に続けて来られました。  細矢治夫先生の具体的な活動を以下に紹介します。






1.折り紙や封筒の分子模型による初等中等理科教育への貢献
折り紙や封筒への簡単な作図により、メタンからフラーレンやダイヤモンド格子に至るまでの様々な多面体を容易に正確に作る方法を創案・収集・発表した。
2.化学の中の数理の重要性の化学者へのアピール
有機化合物の構造式の数学的な特徴をトポロジカルインデックス(Z)という整数で特性化することを提唱した。数理化学の分野では、細矢先生はトポロジカルインデックスのgod father(名付け親)と呼ばれている。
3.数学・物理学界への化学のアピール
30年以上に渡って、「数学セミナー」「数理科学」「Fibonacci Quarterly」「Journal of Mathematical Physics」誌等で、数学と物理の両学界に化学の数理科学的な面を紹介してきた。
4.数学教育改善のアピール
水素イオン濃度(pH)に必要な対数、量子化学に必要な微積分や線形代数などに関する数学教育の改善を訴え続けてきた。
5.我が国の教育施策改善のアピール
自らの体験と海外の教育施策との調査結果をもとに、我が国の科学教育施策と行政の改善のアピールを一貫して訴え続けている。
6.日本人の科学リテラシー向上へのアピール
科学リテラシー向上のために、「科学」と「技術」の正しい理解の必要性を説いている。
7.化学の好きな若者を積極的に育てる活動
高校化学グランプリ・国際化学オリンピック事業や、宇宙航空開発機構の実験コンテストなど、若者の夢を広げる企画に継続的に協力している。
「ユニット折り紙で作る多面体」
       ↑ユニット折り紙で作る多面体↑
 「封筒細工のサッカーボール」
       ↑封筒細工のサッカーボール↑

<教え子の余談>
細矢先生に教えを受けた者は、細矢先生の「おまじない」にかかります。学問のおもしろさに惹かれて、研究活動を続けて学位取得まで至る人、研究教育機関や民間企業で継続的に活躍している人が多数います。細矢先生の数字へのこだわりは人一倍です。その「おまじない」にかかって、切符を代表とする「ぞろ目コレクション」に協力することに喜びを感じる教え子が大勢います。

本学名誉教授細矢治夫先生 化学科講演会(日本化学会化学教育賞受賞記念) (5月31日開催)

国立大学法人お茶の水女子大学 〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1

責任者:お茶の水女子大学ホームページ運営委員会委員長 

E-mail: