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お茶大院生が宇宙実験に参加

  •  本学の大学院生である新堀真希さん(大学院人間文化研究科ライフサイエンス専攻1年生)が、宇宙実験に参加します。
     新堀さんは、 S*T*A*R*Sプログラムという日米の生徒や学生が参加する宇宙実験に応募・採用され、主研究者として実験に参加します。実験内容は、「メダカ」を用いて、
      ・微少重力環境で孵化した稚魚がどのような行動をとるのかを観察
      ・微少重力環境で孵化した稚魚が地上に帰還した後、どのように1Gの環境に適応するかを観察
     を行ないます。
     実験が行なわれるのは、米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルSTS-107。打ち上げは、現地時間で1月16日10時39分(日本時間17日0時39分)に成功し、新堀さんは実験のためケネディスペースセンターにて待機しています。
     
    取材協力 最上善広教授(お茶の水女子大学理学部生物学科・機能生物学講座)
アリゾナ州ツーソンパラゴン社にて
実験用のメダカの飼育と産卵の準備エコシステムと搭載器具の準備
フロリダ州ケネディースペースセンターにて
シャトルへの搭載準備開始選別したメダカの卵(飛行中に孵化予定)
エコシステムの最終組立と実験モジュールへの搭載
実験ミッション(学生による国際共同宇宙実験)の他の実験グループとの記念写真(一番右が新堀さん)
  • 続報
      新堀さんから、打ち上げの時の感想を添えたメッセージが届きました。
本日、無事スペースシャトル・コロンビアが宇宙へと旅立ちました!
シャトル打ち上げ時は雲ひとつない晴天で、汗ばむくらいでした。
「音を感じる」ってこのことかというくらい体に響いて、シャトルが煙を引いて上がっていく様子は、爽快でした!
感動しました。一生忘れないと思います。そして、また見たいと思う出来事でした。
添付した写真は今朝、NASA TVでやっていたシャトルの様子(テレビ画面)を写したものです。
実際には、もう一枚の写真にあるように遠くてシャトルの姿は見えませんでした。
打ち上げの瞬間はビデオを撮っていたので、写真はありません。 シャトルがLift offしてから音がこちらに届くまでの時差が臨場感をかもし出していたように感じました。
あとは、メダカが無事に帰ってくることを祈るばかりです。
  • 続報2 メダカが孵化しました(H15.1.28)
宇宙実験の方は、プレスへの対応も終わり、あとは
シャトルの帰還を待つのみとなりました。
メダカのほうは無事(?)孵化したようです。
まだ全ての卵がかえったというわけではないので、
気を許すことはできませんが、一安心です。
添付しましたのはフライトロッカーの打ち上げ後9日目の写真です。
右端に稚魚が写っていて、とてもうれしかったです!!
  • 続報3 スペースシャトル・コロンビアの事故に際して(H15.2.1)
     マスコミ等を通じてご存知のことと思いますが,信じられない事故が起きてしまいました。
     今回の飛行では,以前ご案内いたしましたように,本学学生(新堀真希,ライフサイエンス専攻1年)が提案・運用した宇宙実験が行われておりました。実験は概ね順調に進んでおり,あとは帰還後の実験を残すだけという段階での事故でした。 実験成功の報告ができなくなったことは,とても残念ですが,新堀さんは惨劇にもくじけず,サイエンティストとしてのけじめをつけるべく活動を続けるとのことです。
     以下に,新堀さんから,実験協力をしてくれている日本の中学・高校に向けて発信されたメッセージを示し,現時点での状況報告といたします。
     実験そのものは,まだ続きます,引き続きご支援下さりますよう,お願い申し上げます。
  •  
    (記事) 最上善広教授(お茶の水女子大学理学部生物学科・機能生物学講座)


<<新堀さんから,実験協力をしてくれている日本の中学・高校に向けて発信されたメッセージ全文>>


STS-107 JUSTSAPSTARSミッションの状況
お茶の水女子大学大学院
ライフサイエンス専攻 新堀真希

 皆さんすでにお聞き及びかと思いますが、大変残念な事故が起こってしまいました。
 シャトル帰還予定は現地時間2月1日午前9:16でした。私は、1月28日にフロリダ入りし、宇宙から帰って来るメダカと、地上対照実験のメダカのケアをする準備を整えていました。今日は、帰還後ASTROTECHという作業場でのICMの開封に立ち会う予定でした。「その作業は午後になるので、それまではホテル待機」と言われていたので、帰還予定時刻は部屋でNASA TVを見ていました。
 帰還予定時刻の1時間前からは帰還のための軌道と管制室の様子が映っており、アメリカ上空を順調に飛行している様子がうかがえました。もしかしたら帰還の様子が肉眼でも見られるかもしれないと、天気が気になって外の様子を見に行き帰ってきたら、すでに通信が途絶えていました。他のチャンネルに変えてみると、ニュースではテキサス州上空での様子が映し出されており、時間がたつに連れ残念な情報がたくさん入ってくるようになりました。本当にびっくりしましたし、ショックでした・・・
 地上対照実験の方は、今までどおりの手順で作業を進めていく予定ですが、この週末は装置を開封する施設に入ることができないので、来週月曜日からの作業になるとのことです。 今後はこちらの関係者の方々の指示に従い作業を進めて行きます。
 現状、手に入るデータは非常に少なく、宇宙で誕生したメダカも日本に連れて帰ることができなくなってしまいました。ですが、宇宙での発生の様子をおさめた写真や、ふ化した稚魚の様子などの情報は非常に有意義で、試行機会が限られている宇宙実験の貴重なデータとして最大限に活用していく予定です。機会が限られているからこそ、万全の状態で実験に望めるように準備に打ち込み、それを宇宙飛行士が手助けをしてくれるわけです。特に今回のミッションは、宇宙実験のみをおこなうものでした。宇宙飛行士の方々は私たちの実験のために訓練をつみ、作業をおこなってくださったわけです。その努力に報いるためにも、また、今まで積み重ねてきた努力を無駄にしないためにも、メダカの実験を最後までやり遂げたいと思っています。

2003年2月1日
フロリダ州、ケープ・カナベラルより
新堀真希


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