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新型コロナウィルス関連肺炎に関する注意喚起について(2020年2月10日情報)

2020年2月10日更新

学生ならびに教職員各位 

2020年1月27日
保健管理センター所長 本田善一郎

 昨年末から、中国湖北省武漢市(Wuhan City, Hubei Province)に発生した新型コロナウイルス(2019 Novel Coronavirus : 2019-nCoV)は同市を中心に感染(ことに肺炎、呼吸器感染症)が拡大し、2020年1月25日現在のWHO(World Health Organization)の発表では、全発症者は1,320人、その内中国での発症者は1,297人、重症例237人、死亡者41人、1月24日から1月25日の間に474人の新規発症があったと報告されています。(2020年1月27日)

 2020年2月1日WHO発表では確認された全症例数は11,935、中国11,821(99.0%)、その他の国114(1.1%)であり、中国では1月28日から2月1日までほぼ2,000例/日の新規症例が報告され感染はピークアウトせず、中国における死亡数259(2.2%)、重症者数1795(15.2%)と報告されています。日本では2月2日時点で20例が確認されています。(2020年2月2日)。  

 2020年2月9日現在、症例数は中国37,198(99.1%)、その他の国353(0.9%)であり、中国における死亡数は811(2.2%)、中国での2月1日から2月9日までの新規症例数は図1の様に2,000~4,000例/日で推移しています。2月9日の報告数が減少していますが、ピークアウトするかは今後のデータの推移を見なくてはなりません。(2020年2月9日)
WHO: Novel Coronavirus (2019-nCoV) situation reports
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports/(新しいウインドウが開きます)
グラフ中国での感染報告数

WHO及び日本政府の対応

 1月31日、WHOは世界のリスクレベルを高い(high)に引き上げ、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern: PHEIC)を宣言しました。日本政府は新型コロナウイルス感染症を指定感染症としました(注1)(2020年2月2日)

 2月7日、新型コロナウイルス感染症が疑われ症状がある人の相談窓口として各自治体に「帰国者・接触者相談センター」が設置されました。下記に当てはまる人は必ず連絡して、受診指示、生活指導を受けてください。

  1. 発熱または呼吸器症状(軽症含む)があり新型コロナウイルス感染者と接触があった人
  2. 37.5度の発熱かつ呼吸器症状があり発症前14日以内に湖北省に渡航、居住していた人
  3. 同症状があり発症前14日以内に「湖北省に渡航、居住していた人」と濃厚接触がある人

 東京では、平日の9時-17時は各保健所の相談センター(文京区03-5803-1824 板橋区03-3579-2321 他の地域は下記URL参照)、夜間及び休日は合同電話相談センター(03-5320-4592)が窓口となります。(2020年2月9日)

帰国者・接触者相談センター連絡先(東京都福祉保健局)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/kikoku_sesshoku.html

(注1)都道府県知事は指定感染症の患者に入院の勧告(従わない場合には強制)、患者および無症状病原体保持者に就業制限を行うことができます。出入国管理法により患者である外国人は日本への上陸を拒否されることになります。(2020年2月2日)。

感染対策及び注意事項(2月9日情報)

 日本での確認例は2月2日現在20例でいずれも発端者を武漢市にたどることができ、重症例、死亡例の発表はありません。市中での感染リスクは現状では低いと考えられますが、上記の注意を参考に感染リスクの低減にご配慮ください。手指、器具のアルコール消毒は有効です。(2020年2月2日)。

 2月8日時点(WHO発表)の日本国内の新型コロナウイルス確定診断例は25例、クルーズ船乗船者(International conveyance : Japan)は別途カウントされ64例です。現時点では市中での感染リスクは低いものと考えられますが、上記の感染リスク低減策に引き続きご配慮ください。上記しました様に各自治体に「帰国者・接触者相談センター」が設置されました。症状があり、湖北省渡航歴がある人、渡航者と濃厚接触がある人、あるいは感染者との接触がある人は必ず連絡し、指示を受けてください。(2020年2月9日)

新型コロナウイルス感染症のリスクについて (2月9日情報)

 2月1日現在、致死率は2.2%と報告され(WHO報告)致死率の上昇は認められていません。また、致死率が湖北省(3.5%)と中国のそれ以外の地域や他国(0.03%)では大きな開きがあり、なんらかの生物学的、社会的要因の差異があるのかもしれません。情報を注視し、適切な行動をとることが望まれます。(2020年2月2日)。

 2月9日現在、致死率は2.2%であり変化はありません。中国での致死率は2.2%(811/37,198)、その他の国0.57%(2/353)ですが、その他の国の症例数が少なく変動が大きいため差異の検討は今後の課題となります。(2020年2月9日)

関連リンク / Related Links

»中国における新型コロナウイルスの発生 (新しいウインドウが開き、本サイトを離れます)
»外務省海外安全ホームページ(PC版、スマホ版) (新しいウインドウが開き、本サイトを離れます)
»外務省海外安全ホームページ(モバイル版) (新しいウインドウが開き、本サイトを離れます)
»厚生労働省ホームページ (新しいウインドウが開き、本サイトを離れます)
»CDC(Centers for Disease Control and Prevention)ホームページ (新しいウインドウが開き、本サイトを離れます)

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