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学長メッセージ

2019年4月1日更新

お茶の水女子大学は、1875年11月29日に、女性のための日本初の高等教育機関「東京女子師範学校」として創設され、その後143年にわたって、女子教育の先達として道を切り拓いて来ました。そして、女性が社会で活躍することさえ困難な時代から、数多くの卒業生が学術・研究、教育、産業、行政、報道など、多様な場において努力と実績を重ね、周囲からの厚い信頼も得て、後に続く女性たちのために活躍の場を開拓して来てくれました。
現在も本学では、これまでに築かれた歴史と伝統を基盤として、広い視野と豊かな感性をもって未来を担う女性たちの育成に取り組んでいます。

2004年の国立大学法人化に際して、お茶の水女子大学は、『学ぶ意欲のある全ての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する』との標語を掲げました。学びたくても学ぶことのできない開発途上国の女性たちをも含め、世界中の全ての女性たちの夢の実現を支援することを目指し、アフガニスタンの女子教育支援をはじめとして、アジア・アフリカの女性や幼児のための教育支援と研究交流を継続しています。その中で、若い女性たちが、多様な文化と異なる価値観や考え方を持った人々と深く理解しあい、互いに切磋琢磨しながら自らを成長させて行くことができるよう、現在までに29カ国80大学との間で交流協定を結んで、国境を越えた学びと研鑽を実現するための環境を整えて来ました。

同時に、大きな変動の時代を迎え、数多くの課題を抱えている社会において、若い女性たちが自らの道を見出し、人々の幸せに貢献できるよう、「リベラルアーツ教育」、「グローバル教育」、「リーダーシップ教育」など、特色ある教育システムを構築し、継続して豊かな学びの場を提供してきました。
また本学では、143年の歴史の中で、自然や生命の営みとその仕組み、社会における人間の在り方やそれを支える制度、人間生活を支える科学・技術の開拓や制度・理論の構築など、幅広く多様な学術研究が行われています。それらの教育・研究を通して、広い知識と深い探究力、豊かな想像力を備え、公共人としての責任感を持って、日本と世界の未来を担う優れた女性たちが育っています。

2016年度から、国立大学法人は「第三期中期目標・計画期間」に入りました。本学ではこれを機に、これまでミッションとして掲げてきた「グローバル女性リーダーの育成」に加えて、「人が一生を通じて心身ともに健康で幸せに暮らすための研究と教育を推進する」ことを新たな目標として、「ヒューマンライフイノベーション開発研究機構」を設置しました。これは、2015年に新設した「グローバル女性リーダー育成研究機構」と双璧となる文理融合の研究機構で、その中に、「ヒューマンライフイノベーション研究所」と「人間発達教育科学研究所」を設置し、少子高齢社会における多様な課題の解決に向けた研究を推進しています。

また、2019年3月には、本学の理念に共感頂いた滝久雄さまをはじめとする多くの方々からご助力を賜り「同窓会コモンズ」を包含する『国際交流留学生プラザ(Hisao & Hiroko TAKI PLAZA)』(隈研吾氏設計)が、正門脇に完成しました。このプラザが、留学生、海外からの研究者、一般学生、生徒、児童、同窓生、教職員、そして地域の方々などが、共に集い、互いの文化や考え方を学び合う場となることを願って居ります。さらに、これまで本学が実施して参りました社会人のリカレント教育やキャリアアップのためのプログラムをさらに充実させ、ここを拠点に実施します。また、2019年4月からは、企業の皆さまとの協働事業としての「連携講座」がスタートします。

これからも、本学が刻んできたこれまでの伝統を引き継ぐとともに、大きく変化する社会の動きにも対応した学びと研究の環境を整備して、将来の社会をリードし、新たな社会的価値を創造する女性たちの育成に努めて参ります。さらには、同じキャンパス内に保育園から大学院までを備えている特色を活かして、人が一生を通じて健康で幸せに暮らせる社会を創るための教育・研究を推進し、豊かな夢を育める社会を創るために貢献できる大学であり続けられるよう、高等教育機関としての役割を果たして参ります。

2019年4月1日
お茶の水女子大学長 室伏 きみ子

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