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お茶の水女子大学では日本人もいろいろな国の留学生もみんな仲間になります

2016年11月14日更新

WXさん

W.X.さん(中国)
博士後期課程
人間文化創成科学研究科人間発達科学専攻 社会学・社会政策領域

日本への留学理由

祖父と一緒に日本語のラジオを聴いていたことがきっかけかも

中国(天津)の大学を出た後、もう一度、自分の学問を見直したい。本当に一からやり直したいという思いが募り、親に相談して海外留学の道を選択しました。

ではどこに行くか。最初から日本と決めていたわけではありません。いろいろ考えるうちに、ふと、幼少のころに祖父と一緒に日本語のラジオを聴いていたことを思い出しました。祖父は少し日本語を話すことができました。日本は近くて親しみもありましたし、治安面でも安心できるし、また日本と中国は太古からの歴史的な関係がとても深いことから、日本に留学してみたいと考えるようになりました。

最初から修士号までは取るつもりでしたが、何しろ当時、日本語は簡単な挨拶くらいしかできない状態でした。そこで日本に来て最初の2年間は日本語学校に通うことにしました。

来日してからもう11年ですが、最初の1か月は、なんだか雲の上を歩いているようにフワフワした感覚だったことを今でも鮮明に覚えています。



お茶の水女子大学を選んだ理由

お茶の水女子大学一筋、院に進むときも他大学は頭にありませんでした

WXさん2

できるだけ親の負担を減らしたいという思いもあり、国立大学を目指しました。自分で情報を集めたり、日本に留学経験のある親戚から話を聞いて、伝統のあるお茶の水女子大学のことを知りました。

日本語学校に通って日本語が分かるようになると、毎日テレビでニュースを見るのがとても楽しくなります。当時、大きな話題だったのは少子化問題でしたが、そうした社会問題を考えるうちに、社会学を学びたいと思い、お茶の水女子大学の社会学を受験しました。

学部時代からもう9年、ずっとお茶の水女子大学一筋です。大学院に進むときも他大学は頭にありませんでした。それくらいお茶の水女子大学は、私にとって居心地が良かったのです。

お茶の水女子大学を卒業した先輩には優秀な人がたくさんいます。母国に帰って有名大学で教えている先輩もいますし、そのままお茶の水女子大学で講師をしている先輩もいます。何より、勉強で迷ったときにアドバイスをくれる仲間がたくさんいますので、安心してお茶の水女子大学に留学してきてほしいと思います。



お茶の水女子大学での学生生活、周囲のサポート

親切に手助けしてくれた先生、先輩に仲間

1年生の時には本当にたくさんの授業を取りました。専攻科目、共通科目はもちろん、留学生向けの日本語プログラムや英語の講義と、週5日間、毎日朝9時から夕方の最後の授業までずっと学校で勉強しました。

2年生になると、将来性を踏まえたゼミ式の授業に、正直とても戸惑いました。中国では大きな教室での講義が一般的なので、どうしていいか分からなかったのです。助けてくれたのは周りの日本人学生で、レジュメを見せてくれたり、親切に接してもらいました。

また、「TEA」という国際交流組織にお世話になりました。当時の会長だった先輩が、私が書いた文章を細かく直してくれたり、こんな視点が必要だとか、どんな本が参考になるかなどを丁寧に教えてくださり、彼女には本当に感謝しています。

お茶の水女子大学は他大学に比べて学生が少ないのも特長です。先生が一人の学生に対してよく面倒をみてくれるのでとても助けられます。また、チューター制度があり、自分の専門に近い先輩がついてくれます。他の大学だと、中国人同士で固まってしまうことが多いそうですが、お茶の水女子大学では日本人もいろいろな国の留学生もみんな仲間になる。少人数だからこそ、そういう交流が生まれるのです。

女子大学という環境を不安に思うかもしれませんが、私はむしろ新鮮でした。お茶の水女子大学は男女平等などジェンダーの研究がとても進んでいます。それはやはり女子大学ならではと思います。ジェンダーを学ぶうちに、「女性だからできない」ではなく「女性だからできる」という考え方が自分の中で強くなっているように感じています。

中国から留学しようと思っている人には、前にも触れましたが、中国の大学とお茶の水女子大学では勉強スタイルが少し異なることに気をつけてほしいです。中国では大人数の講義でどうしても先生主導になりますが、お茶の水女子大学では先生が指図するということはありません。本来、研究は自分がやりたい物事を勉強することですから、研究したい道は自主的に計画を建てるものだということを、まず頭に入れておいてほしいなと思います。



日本での生活、カルチャーギャップ

アパートの一人暮らしやアルバイトも体験

WXさん3

私の場合は不思議とカルチャーショックはほとんどありませんでした。たぶん漢字の国であることと、祖父と一緒に日本のラジオを聴いていたこともあるのでしょう。中国で昔の日本のドラマを見ていたことも、今思えば日本文化の理解につながっていると思います。
来日した当初は、知り合いの紹介でアパートを借り、一人暮らしをしていました。昔ながらの木造の日本家屋もいいものです。家賃も安かったですしね。今は友人とマンションの一室をシェアしています。休日は映画観賞や美術館めぐり、散歩かな。ここ2年間は毎年、富士山に登っています。

アルバイトはたくさん経験しました。早朝、学校へ行く前の時間を利用してお弁当作りのバイトをたり、学校が終わった後に夕方だけ居酒屋の仕込みをしたり。そういう短時間のアルバイトがあるので学生にはありがたいですね。ここ数年は中国語講師をしています。日本はとても便利な国ですから、自分から積極的に動けばあまり困ることはないと思います。



自分の将来像

博士号を取得し、将来は中国で教鞭を

日本もグローバル化されて、外国人労働者がとても多いです。留学生が卒業後に日本企業に就職するケースも増えてきました。私はそういう日本に暮らす外国人の年金や医療などの社会保険制度を研究しています。中国もこれからのグローバル化に伴い、国内の社会保障制度改革の真っ最中です。私が日本で勉強した社会保障制度を将来は中国の役に立てられればとも思っています。

今後は地道に研究を続け、まずは博士号を取りたいです。その後もできれば日本で国際的な社会保障制度の研究を進め、いずれは中国に帰って教鞭をとりたいと考えています。



お気に入りスポット

四季の花があふれるキャンパスを散歩するのがお気に入り。いつも図書館の前にいる猫や池のカメとも長い付き合い。「入学してからカメが年々大きくなるのをずっと見てきました。カメの日向ぼっこを見ていると癒されます」。

WXさん4

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