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ワークショップ リポート  ~ 2014年度 ~


  第四回「女性のグローバルな活躍のためのワークショップ」(2014年12月10日)報告 


    「翔び立とう! チャンスに満ちた世界へ!」

講師    原 麻里子 氏
 アナウンサー、社会人類学者

 今回のワークショップは、これまでのワークショップ講師にいそうでいなかった、女性の花形職業のひとつ、アナウンサーを職業とされている原麻里子さんをお迎えした。原さんは英国ケンブリッジ大学の修士号をもち、社会人類学者として慶應義塾大学法学部ほかで非常勤講師を務めるなど、学術界にも貢献されている。


 ご講演は、麻里子という名前はもともと、世界で活躍できるようにと、海外でも呼ばれやすい名前としてご両親がつけてくださった、というお話から始まった。アナウンサーを目指されたのも、大学3年のヨーロッパ旅行を通して、インターネットもない時代のこと、海外の真実があまりに日本に知られていないと感じ、それを伝えるジャーナリストになりたいというのがきっかけだったという。常に世界に目を向けている、生来のグローバル人材なのだ。


 その世界へ向けた強い意志があったために、帰国子女アナウンサーばかりがもてはやされた時代だったが、そうではない原さんがイギリスBBC出向に選ばれた。イギリスでは、女性管理職の多さに驚いたり、亡命貴族や元兵士など、日本ではとても出会えないような方々に会い、目が覚めるような経験ばかりだったという。

 海外でキャリアを築くには、最近では特に、英語力だけでは評価されない、「生きざま」が大事である、というアドバイスや、留学を経験して英語ができるからと、「英語屋」として便利に使われてはいけない、というお話など、さすがのよく通る声で語られる人生の先輩からの貴重な人生訓を、和やかな空気の中しみじみと拝聴するひとときとなった。




 参加者の声 ~第四回・第五回ワークショップに参加して~ 

藤山 千紘  
理学部情報科学科3年


 私は、年末女性グローバル力強化企画として2週続けて開催された第四回、第五回のワークショップに参加しました。今回このワークショップに参加したのは、グローバルに活躍される方にとって海外経験がどういう意味を持つのか、その生の声を聞きたいとの思いからでした。私は幼少の頃よりクラシックバレエを続けており、大学入学後もプロフェッショナルダンサーになるのか、それとも大学を卒業してどこか企業に就職するのか決め兼ねていました。そんな折にベルギーの王立バレエ学校に合格し、2年生の夏から1年間留学する事になりました。バレエ学校では最終学年でしたので、留学生活を終えたらどこか海外のバレエ団に就職し、プロフェッショナルダンサーとしての道を切り開くつもりでいました。実際留学中に就職活動をし、アメリカに拠点をおく3つのカンパニーからオファーを頂いて、今秋一度帰国しました。その時点では、就労ビザを取得してプロフェッショナルダンサーとしてのキャリアを始めようと思っていたのですが、カンパニーから提示される条件やビザの種類が、これからキャリアを形成する上でベストとは言えなかった事、またちょうど体調が芳しくなく、海外でやって行くには不安だった事から、今季の入団は見送る事になりました。そうして大学に復学したのですが、自分が海外で過ごした1年間をどう捉え、これからのキャリアにどうつなげるのか、大学へ留学した訳ではなかったけれど海外で暮らした1年間を無駄にしたくないと、あちこちの講演会に足を運び模索していた時に、このワークショップの話を耳にしたのでした。

 実際にワークショップに参加してみて、グローバル云々よりも講師の方々の強さを肌に感じました。第4回の講師、原麻里子先生は、どの局面においてもご自身の意志が強く、決して屈さない、ですがそれでいてここまでのキャリアを築いて来られたのですから、柔軟に生きて来られたのだろうと容易に想像もつき、その姿を目の当たりにして、まさに驚愕でした。アナウンサーというご職業柄もあるとは思いますが、はっきりと話される姿が、おっしゃっている内容に合致していて説得力があり、先生のポリシーが有無を言わせず身体にしみ込んでくるような感覚になりました。第5回の澤登翠先生のワークショップでは、先生の映画への愛、ご自身の職業への誇りがひしひしと伝わって来ました。この回で何よりも印象的だったのは、活動弁士として生計を立てている、世界でたった一人の存在であるにもかかわらず、決して奢らず向上心を持ち続けていらっしゃる姿です。既に活動弁士として確固たる地位を築いていらっしゃるのに、そこに甘んじず、もっと学ばなくてはいけないと何度もおっしゃっていた事が、印象に残っています。なかでも、日本の文化について知っていないと恥ずかしいとおっしゃっていた事が、心に残っています。なぜなら私も留学して初めて、自分がいかに日本の事について無知なのかに気付いたからです。ですが、私に比べれば日本文化に関する知識がずっと豊富な澤登先生でさえ、もっと学ばなくては、と貪欲な姿勢でいらっしゃること、私はまずその姿勢を見習おうと思いました。ワークショップ内では実際に活動弁士として実演もして下さり、とても貴重な時間になりました。実演の際には澤登先生の活動弁士としてのプロフェッショナルな姿を見る事が出来、その、まさに全身全霊をかけてといった様子に感銘を受けました。

 ワークショップに参加し、グローバルに活躍する方がどんな風に考え、どんな風に決断をして、これまでのキャリアを築いて来られたのかを伺ううちに、やはりそれは人それぞれではあるのだけれども、お二方ともに強い個であるという事が分かりました。そして平易な言葉ではありますが、強い意志を持ちここまでのキャリアを築いて来られ、そしてこれからもまだまだ向上しようとされる姿は、ただ単純に格好良く、私もあんな風になりたいと、今インスパイアされた気持ちでいっぱいです。それと同時に、私がこのワークショップへの参加を決めた一因でもあった海外経験への意味付けですが、いま私は、海外留学はただ一つの経験に過ぎず、そこにどんな意味を持たせるのかに拘泥するのではなく、その時々を真剣に生き抜いた結果として、あの時こんな経験をしたから今の自分がある、という風に考える、つまり留学を終えたばかりの私が今ここで意味付けをするのではなく、一つの経験、糧としてこれからキャリアを築いて行った未来の自分が振り返った時に、自然と意味付けされているのではないかと思い、いま私に出来る事はこれからの自分を真剣に考える事ではないかと気付きました。

 最後にこのワークショップを通じて、グローバルに活躍される方の姿を間近で拝見でき、発せられる言葉の端々からこれからのキャリアのためのヒントや深く考えたいポイントを得る事が出来ました。ワークショップへ参加したという事実だけで終わらせず、これからさらに深く掘り下げて考え、よく噛み砕いて自分の糧にし、これからの生き方に生かしていこうと思います。



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 お茶の水女子大学
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