高校で教えている化学の内容が質、量ともに低下している昨今、大学での初年度の授業を分かり易くする必要が生じている。一方英語の必要性は大変高まっているものの、実態は理系の学生は一般的に文系よりも英語の学力が低い傾向にある。そこで、化学の基礎的な内容を、英語を適宜取り入れることによって、学生の興味をかき立てながら教えることができれば、一挙両得以上の効果を得られるのではないだろうかと考えた。これまで本学では、特別な一部のセミナーなどを除けば、化学の授業はすべて日本語で行われてきたが、2009年度から初めて基礎化学Bの授業を日本語に加えて一部英語でも実施することになった。全学共通科目である基礎化学B では物理化学、無機化学、分析化学を中心として授業を行っており、毎年受講生の中心は理学部の化学科、生物学科、物理学科の1年生である。その参考にするために、英国における化学教育を視察してきた。 |