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国際規格によるFD戦略
お茶の水女子大学
第4回 FD講演会 Capillary Origami 一覧へ
 去る2009年2月24日、国際規格のFD戦略による事業の一環として、第4回FD講演会が催されました。
 仏国 E.S.P.C.I のJose BICO准教授を講師としてお招きし、「Capillary Origami」と題してお話をしていただきました。

パリ・ESPCI招聘教員による集中講義・講演
 2009年2月17日から2月24日のうちの4日間、パリ市立工業物理・化学高等大学(ESPCI)から、ジョゼ・ビコ(Jose BICO)准教授を招いて「表面張力・濡れの物理 - しずく・あわ・みずなみの世界 - 」という題目で英語による集中講義を実施していただいた。内容は、1.表面張力の基礎、2.(滴と)固体との接触、3.毛管上昇、4.実際の(理想的ではない)表面、5.界面の動力学、6.(界面の)不安定性、7.FD講演「毛細管折り紙」、という構成で、表面張力の基礎からはじまり、最先端の研究にまでわたる話が展開された。FD講演「毛細管折り紙」では、微細な凹凸のある表面上での濡れの理論的基礎から始まり、表面張力と弾性の競合によって生じる数々の興味深い最先端の研究に話が及んだ。「毛細管折り紙」とは、ビコ博士らが数年前に発見して多くの人を驚嘆させた現象のことで、小さなやわらかいシートに小さな液滴を垂らすと表面張力と弾性の競合によって、柔らかいシートが自発的に折り紙のようにたたまれていく現象のことである。講演の最後には、シャボン玉と花びら状の透明フィルムを使って、この「毛細管折り紙」が聴衆の前で演示された。
 このように、ビコ博士の授業や講演は、数多くの簡単にその場でできる実験を演示しながら行われたため、聴衆は集中力をとぎらせることなく話を聞いているように思われた。私自身、実験のムービーを授業中に見せることはよく行ってきており、その効果は認識していたが、実際にその場で実験をして見せることがいかに大切か思い知った。その場で実験を行うことは、効率だけを考えるとマイナスに感じられるかもしれない。実際、いくつかの実験はあまりうまくいかず、何度もやりなおしたりした。しかし、学生は、今度こそは成功するのではないかと期待しつつ、むしろより授業に引き付けられていた。恐らく、多くの聴衆が、このような臨場感あふれる体験を通して、純粋に「科学は面白い」と再認識していたのではないかと思う。ぜひ、私も今後の授業に「その場実験」を取り入れていきたい。
お茶の水女子大学理学部物理学科:奥村剛
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