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2019年度「第4回 辻村みちよ賞」選考結果報告

2020年2月18日更新

辻村みちよ賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 生活科学部長 仲西正

第4回辻村みちよ賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の方を辻村みちよ賞候補者として本学学長に推薦し、了承を得ました。
「辻村みちよ賞」設立趣旨についてはこちらをご覧ください

辻村みちよ賞

澤田 留美 氏
(国立医薬品食品衛生研究所再生・細胞医療製品部 室長)

業績「食品研究から再生医療研究への展開」

 澤田氏のお茶の水女子大学における研究テーマは、多価不飽和脂肪酸の代謝についてであり、食品成分による代謝変化や、妊娠中・離乳で親から子へ栄養素として受け渡される多価不飽和脂肪酸とその代謝変動などを明らかにしています。国立医薬品食品衛生研究所では、医療材料の安全性を評価する部門に配属となり、当時ほとんど着手されていなかったバイオマテリアルとしての自己再生細胞の安全性研究に着手し、現在では、iPS細胞、ES細胞、体性幹細胞やその応用について、国内外の最先端の研究者たちと共同研究を続けています。研究班における澤田氏の役割は、最先端の再生医療研究の成果をヒトに適用する際の問題点を探り、それらを調整・解決することであり、再生医療の実用化において極めて重要な分野です。澤田氏の研究面での特徴は、食品栄養と再生医療の両分野において優れた業績を挙げられたことのみならず、人間生活を多面的なアプローチで科学するという家政学・生活科学の視点を持ちつつ、研究を食品研究から再生医療研究へと展開されてきたことにあります。再生医療研究を生活者の視点で捉えることができる唯一の人材であり、お茶の水女子大学家政学部の出身者がその研究の場にいることの意義は大きいと考えられます。
 また、社会貢献としては、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会員、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の専門委員、国際標準化機構のバイオテクノロジーに関する専門委員会の委員などを歴任され、大きな寄与をされています。
 以上のことから、本選考委員会は、澤田氏は、食品および再生医療の研究に対し顕著な業績を挙げるのみならず、多大な社会貢献の功績があり、辻村みちよ賞受賞候補者に相応しいと判断しました。

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