2013年4月2日(火)学長所信表明

 これまでの任期中の皆様のご協力に深く感謝申し上げます。
 昨日、文部科学省で再び辞令を拝受してきました。今後二年間、本学の特質を出来る限り活かし、大学の発展のために力を尽くして参ります。
 四年間の任期の間に心掛けてきたことは、大学の基盤強固とキャンパスの安全確保でした。 それはソフト面、ハード面の安全性の強化です。しかしながら、極めて残念なのは、大震災の甚大な被害と厳しい経済状況に、財政面で本学も多大な影響を受けていることです。
 このような状況下での今年度の予算の状況と基本的な考え方は、配付資料に示した通りです。

 今、国立の大学に対して、その在り方の抜本的な見直しが多方面で議論されています。
 昨年6月に文部科学省によって示された「大学改革実行プラン」では、大学のミッションを明示化することが求められ、8月には、中央教育審議会で、 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」が答申されました。さらに教育再生実行会議では、大学の質と量についての議論とともに、大学の在り方の根本的な見直しが論点に挙げられています。
 これら教育関連の場にとどまらず、経済産業界においても、大学の在り方についての議論が活発に行われています。産業競争力会議では、3月15日に文部科学大臣が「人材力強化のための教育戦略」を説明し、 経済財政諮問会議でも、大学教育の在り方についての取りまとめが6月になされることになっています。経済界が人材育成の観点から大学教育に対して強い関心を示していることも考慮しておく必要があります。
 今はとくに、お茶の水女子大学の理念と実践の姿を改めて明確に示さざるを得ない状況にあるといえます。

 国立の女子大学として現在の本学の使命を考えたとき、教育の重点は国際化教育と女性リーダー育成事業の効果的な実施にあります。つまり、グローバル女性リーダーの育成です。
 全学的プログラムとして、国立大学では北海道大学、東北大学、千葉大学と本学の四大学だけが採択された「グローバル人材育成推進事業」の実施に向けて構成員全員のご協力をぜひお願いします。
 この事業を実施しつつ、専門性を身につけてグローバルに活躍できる女性の育成という本学の取り組みを、他の大学や女子大学と差異化させ、特化させ、社会的認知度をいっそう高めるために、 学部教育との関連を考慮しつつ大学院教育を中心とする体制を整えてゆくことが必要であると考えています。
 大学院教育改革について、今後さらに先生方のご意見をお聞きしながらその実現のために努力をしてまいります。

 研究や社会連携、大学間連携については、次のように考えています。
 研究については、基礎研究に加え、戦略的な研究拠点の形成が重要であり、その基盤確保のために、教員研究費は極力確保するように配慮しました。
 また、本学のような小規模大学にとって、国内国外を問わず、他機関との連携協力による教育研究の充実も重要であり必須です。
 そこで、国内の大学、自治体とも協定を締結し、海外の大学との連携にも力を入れてまいりました。現在、海外の54大学と交流協定を結んでいますが、そのうちの23大学との大学間連携は、 この四年間に実現したもので、これは国際担当の先生方の大変なご努力によるものです。これらの大学間の連携は、今後本学の教育研究のグローバル化促進の基盤となるはずです。

 ところで、2年後の2015年は、本学の創立140周年に当たります。そこで、さらにその10年後の150周年も視野に入れながら、140周年の記念事業を開始します。
 その意図は、これまでの本学の実績を再確認し、本学の特色を活かして、新たな発展の歴史を紡ぐために、社会的な評価を高めることにあります。
全キャンパスを挙げた取り組みにしたいと考えています。

 なお、今年度から新たに戦略担当副学長をお迎えしました。
 新たに着任した副学長のお力を借りて、本学の事務組織の効率化といっそうの強化を図ります。 それは、事務職員と教員とがそれぞれの専門性を発揮する体制の実現であり、これによって教員が少しでも教育研究に専念できる環境を作り上げることが重要な課題であると認識しています。

 今年度、部局長の先生方と議論を重ね、附属学校ともさらに協力しながら、全キャンパスが一丸となって新しいお茶大の姿を明確に示すことができるように全力を尽くします。
 皆様のご協力をいただきたくお願い申しあげます。

 

   

お茶の水女子大学長 羽入佐和子

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