2012年4月3日(火)学長所信表明

新年度がお茶の水女子大学にとって新たな飛躍の年になるために、できる限りの力を尽くしたいと思います。どうぞご協力くださいますようお願いします。
 まず、昨年一年間の教職員の皆様のご協力に心からお礼を申し上げます。 特に3月11日の大震災に伴う多くの課題に対して、附属と大学の教職員全員が一丸となって協力して乗り越えることができました。誠に有り難うございました。

基本方針

 今年度の基本方針は、現在の社会状況を視野に入れつつ、お茶の水女子大学の長期的発展を志向した取り組みを行います。
 それは主に次の3点です。

 Ⅰ 大学改革

 Ⅱ キャンパスの安全確保

 Ⅲ 事務機能の充実

大学改革

 今年の最大の課題は、緊急課題として課せられている大学改革の一歩を歩み出すことにあります。 「大学改革」が大きな課題とされた背景には、国家財政の問題と国立大学の活動に対する批判があります。 批判の内容は、国立大学の数と大学の機能についてであり、数の点での改革と大学の機能について改革が求められています。
 こうした指摘に対する国立大学協会としての考え方は、昨年6月に「国立大学の機能強化 -国民への約束-」(中間まとめ)の形で公表しました。 「中間まとめ」では、各国立大学はそれぞれに重要な役割を果たしてきたのであり、今後は国立大学として「有機的連携」関係を築くことで、国立大学全体としても個々の大学としても、 機能を強化してこれまで以上に国の高等教育研究機関としての役割を果たして行くことを宣言しています。
 では、お茶の水女子大学はどのような形でその機能を明示し、その存在を強化するのか。
 平成24年度の予算内示と同時に明らかにされた大学改革への強い要望を受けて、本学では「大学改革WG」を設置し、1月から3月の間に7回WGで議論し、次の方向で大学改革の具体案を検討して行くことと致しました。

[お茶の水女子大学としての大学改革の目的]

 日本の国立女子大学として国際的な女性リーダーの教育研究機関となり、多様性と活力のある社会の実現に一層の貢献をすることを大学改革の目的とする。
 そのために、国立の女子大学としての社会的役割を意識し吟味し、これまでの実績を活かしつつ、附属学校園とも協働して他の国立大学では実現困難な教育機関の機能を強化することによって、 お茶の水女子大学全体の拡充を目指す。

[大学改革の方向性]

  1. 大学改革の要求に対する本学の基本方針
    (1) 連携の拡大と強化
     ・国内、国外の大学・機関との連携を促進することによって、本学の教育研究基盤を拡充させる。
     ・本学の特色ある分野を強化する。
      ① COE、G-COE等大型競争的資金によって実績のある分野の伸長
      ② 中期目標に示した「女性が活躍する分野」を特に理工系分野で開拓
    (2) 国際的人材育成 
     ・平成24年度予算項目「グローバル人材育成推進事業」に即して、「グローバル女性リーダー育成」
      の国際的教育研究拠点形成に努める。
    (3) 国際性の強化
     ・国際貢献に加え、日本語教育や日本文化の普及等を推進する。
  2. 取り組み内容
    (1) 学士課程教育に関する大学改革の確認、検証
     ・外国語教育を中心に検証し、学部教育改革を推進する。
    (2) 大学院改革
     ・今回の大学改革の中核を大学院改革に置く。
    (3) 学生支援の拡充
     ・大学院の奨学金の新設をはじめ、キャリア教育・支援を充実させる。
    (4) 事務体制
     ・国立大学法人としての事務の効率化の可能性を探る。
  3. 大学院改革
    (1) 人間文化創成科学研究科設置(H19年度)の検証を行い、他大学との連携を含めて、
      新たな教育研究組織の設置の可能性を検討する。
    (2) 「人間文化創成科学研究科」を一部改組し、新研究科の設置を検討する。
     ・大学院の教育課程として「グローバル女性リーダー育成」の機能を付加する。
      その際、産官学が連携したリーダーシップ教育のシステムを開発する。
     ・新研究科の具体的な内容については、上記「1.大学改革の要求に対する本学の基本方針」
      に沿って継続して検討する。
    (3) 「リーディング大学院プログラム」、「大学院拠点形成支援事業」、「大学間連携共同教育推進事業」
      等の競争的資金による教育の充実は本学にとって極めて重要であり、その獲得に努める。

キャンパスの安全確保

 キャンパスの安全性については、ソフト・ハード両面での整備が重要と考えていますが、震災以降は特に施設面での環境整備に努めてきました。 今年度は、環境整備をさらに充実させると共に、ソフト面での安全性も一層強化したいと考えています。そこで、コンプライアンス強化のために公益通報の学外窓口を新設しました。新設した窓口は以下です。

[公益通報学外窓口]
  〒113-0034 東京都文京区湯島4-5-1
  山田法律特許事務所「お茶の水女子大学・学外公益通報窓口担当弁護士」
  TEL 03-3813-5611〜3 / FAX 03-3813-6223

事務機能の充実

 本学の室機構体制は、教職協働体制として注目されていますが、この機能をさらに充実させ、 事務職員、教員がそれぞれの専門的能力を十分に発揮できるように環境を整備することが事務体制として今年度の重要な課題です。

監事の交代

 法人化以来監事を務めていただいた、桐村晋次、山田勝重両監事の任期満了に伴い、 今年度から新たに斎藤修氏、吉武博通氏に監事に就任していただきました。


 これまでも本学は「大学改革」を積極的に実行してきました。 今回の大学改革に対しては、過去に本学が実施してきた大学改革を踏まえ、長期的な観点から大学の基盤を充実させることができるような改革となることが極めて重要であると考えています。
 なお、人事については、2年前に学部において検討いただいた教育体制の案を参考にして企画経営統括本部会議で全学的な観点からの人員配置を検討します。 その際に、既に提示した以上の削減は極力避けたいと考えています。 ただし、そのためには大学改革が極めて重要であり、今後さらに研究科長をはじめ部局長等の皆様とさらに意見交換しながら大学改革の具体的な案を作成して行きます。 大学にとって大きな決断が求められる年になると思いますが、お茶大の全キャンパスの発展に資する改革となることが重要であると考えています。
 そのためにも皆様のご協力をお願い申し上げます。

   

お茶の水女子大学長 羽入佐和子

国立大学法人お茶の水女子大学 〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1

責任者:お茶の水女子大学ホームページ運営委員会委員長 

E-mail: