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文部科学省の「近未来の課題解決を目指した実証的社会科学研究推進事業」に採択

 この度、文部科学省が公募した「近未来の課題解決を目指した実証的社会科学研究推進事業」に、大学院人間文化創成科学研究科の永瀬伸子教授を研究代表者とする研究チームが応募した「ジェンダー・格差センシティブな働き方と生活の調和:キャリア形成と家庭・地域・社会活動が可能な働き方の設計」が採択された。この事業は、「経済・社会の活性化」と「社会の安全・安心」の両立を視野に入れた「国民の生活と福祉の向上」に資する社会科学のプロジェクト研究を実施するもので、研究領域は「豊かな経済活力を生む社会経済制度の設計」「生活の豊かさを生む新しい雇用システムの設計」の二つであるが、今回、全国から56件の応募があり、文部科学省と日本学術振興会による審査を経て、一橋大学(2件)、東京大学、お茶の水女子大学から提出された計4件の研究課題が採択されたものであり、2008年10月から5年間続く事業となる予定である。

 これまでのワーク・ライフ・バランス研究の多くは雇用からの目線のものが多かった。しかし実現可能な提言をするには、家庭からの目線も同じくらい重要である。本研究では、労働経済学(永瀬伸子)、家族社会学(石井クンツ昌子)、発達心理学(菅原ますみ)が協業し、なぜ多くの男女が仕事と家庭のバランスをとれず、女性の離職、男性の長時間労働、あるいはシングルライフという結果となるのか、企業だけでなく家庭にも同じ重みを置いて量的分析を行い、結果を分野横断的に検討する。行動を規定している土台として法枠組み(戒能民江)、人事慣行や制度、そしてジェンダー規範とロールモデル(舘かおる)にも注目したい。自治体政策比較の分析(申キヨン)も計画している。他大学の研究者だけでなく、企業の女性リーダー、人事労務専門家、労働組合リーダー、保育専門家やNPO、政府機関や自治体から知恵をもらい、またフォーカス・グループ・ディスカッションや、企業や個人へのヒアリング調査などの質的調査を量的調査を補完する形で行い、問題点を探る。ジェンダー・格差センシティブな視点から企業活力と家族に焦点化し、ワーク・ライフ・バランスを実現できる働き方と家族支援とを、女性の経験を重視して探り、有効な提言へと結びつけることを目指している。

 詳細はホームページでご覧ください。
  ジェンダー格差センシティブな働き方と生活の調和 HP

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