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島正子さんが「日本化学会 第32回 化学教育賞」を受賞しました

 本学卒業生の島正子さん(理学部化学科・昭和28年卒)が、「日本化学会第32回化学教育賞」を受賞しました。(社)日本化学会は、アメリカ化学会に次ぐ世界で2番目に大きい化学の学会で、現在会員3万数千人を擁しています。
 島さんは、本学卒業後東京大学大学院化学系研究科博士課程を修了、本学助手、カナダマックスマスター大学、カルフォルニア大博士研究員、東大物性研究所助手、ドイツマックスプランク研究所を経て、国立科学博物館研究官に着任、室長となられ、現在名誉研究員として活躍されています。
 島さんは宇宙化学を専門とされ、隕石や地球外物質について、化学組成、同位体組成、宇宙線生成核種等の研究を行ってきました。また、国際純正応用化学連合(IUPAC)無機化学部門、原子量委員会の日本代表として活躍されました。島根県美保関に人家の屋根を貫いて落下した隕石の取材以来、新聞にも何度か紹介されています。研究とともに、化学教育に力を入れられ、国立科学博物館で1981年と1990年の2度の化学展を日本化学会と国立科学博物館の橋渡し役として開催、小中学生向きの「楽しい化学の実験室」、理科教育に関心のある、主として理科教師を対象とした「化学実験講座」、高校生を対象とした「高校生のための化学実験講座」を1983年以来世間に先駆けて開催され全国的に化学普及活動の基礎を築かれました。また全ての元素の単体を入れた世界に1つしか無い元素周期表をつくられ、これは今も科学博物館に展示されています。
 著書として、「隕石 宇宙からのおくりもの」(東京化学同人)があります。この方面 の基礎的なことから専門的なことにまで亘って書いた専門書で、隕石の勉強をする人たちの基礎として広く大学等では参考書としても用いられています。これだけ広い範囲に亘って隕石に関することを書いた日本語の本はありません。これらの業績により化学教育賞を受賞されました。

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