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小川温子教授の第三者専門家としての検証が放映(TBS「白インゲン豆事件」)

 先日5月6日に白インゲン豆ダイエット法がTBS番組で紹介されたのち、調理して食べた視聴者が多数、嘔吐や下痢の症状を発症し、この原因について専門家や厚生労働省は、加熱不足によって白インゲン豆の含有レクチンが残り、これが胃や腸の粘膜の炎症を引き起こした可能性が高いとの見方を示しました。
 本学人間文化研究科の小川温子教授は、TBS社からこの見方の検証のために、第三者機関として、レクチン活性の残存についてのデータ収集と原因究明の調査を依頼されました。小川教授は、研究室の坂上ひろみ研究員と大学院生の吉田奈央さん、旭美穂さんらの協力によって、複数の種類の白インゲン豆について、いくつかの加熱処理に分けて詳細な実験をおこない、加熱処理が不十分な場合のレクチン活性を証明しました。
 そのおりの実験状況や結果の総括などが、6月25日の報道検証番組「TBSレビュー」にて放送されました。
 ちなみにレクチンとは、糖鎖に結合するタンパク質であり、加熱不十分な調理法によって活性の状態のまま人体に摂取されると、上記の症状を起こすことがあると小川教授は語っています。

 小川温子教授の第三者としての検証は、TV放送という公的メディアにとって、科学的知識がいかに重要であるかを再確認する機会になりましたし、またダイエットや調理といった日常的な事柄に、科学的研究が直結していることを、あらためて知る機会にもなりました。

 巷では理科離れが囁かれていますが、むしろ痩身願望や食の多様化が進行している現代こそ、市民一人一人が、物質や健康に関する正確な知識や理科的思考をもつ必要があることが、浮き彫りになりました。

レクチン活性を測定する赤血球凝集試験の撮影状況 白インゲン豆(大福豆ならびに白花豆)をさまざまな条件で加熱調理した後、緩衝液で抽出した抽出液サンプルの一部
レクチン活性を測定する赤血球凝集試験の撮影状況 白インゲン豆(大福豆ならびに白花豆)をさまざまな条件で
加熱調理した後、緩衝液で抽出した抽出液サンプルの一部
白インゲン豆(大福豆ならびに白花豆)をさまざまな条件で加熱調理した後、緩衝液で抽出した抽出液サンプルの一部 赤血球凝集試験に使用する赤血球を、血液から遠心機を使って分離する実験
白インゲン豆(大福豆ならびに白花豆)をさまざまな条件で
加熱調理した後、緩衝液で抽出した抽出液サンプルの一部
赤血球凝集試験に使用する赤血球を、
血液から遠心機を使って分離する実験

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